こんにちは、ヴィオラトリコロール サポートセンターのひれです。
ヨガ歴5年、ブランク2年、2歳の息子がいるワーキングマザーのヨガインストラクター資格コースの受講レポートです。今回は、ヨガベーシックコースで学んだこと、そして私が得たものをお伝えしたいと思います。
(※)ヴィオラトリコロールでは、初心者や未経験者の方から参加できる「ヨガ ベーシックコース」と、中級以上の方にむけたレッスンや上級アーサナを学べる「ヨガ アドバンスコース」があり、どちらも卒業することで全米ヨガアライアンス200時間(RYT200)を取得することができます。
2ヶ月弱のコースでしたが、とても濃い学びの日々となり、“学んだこと”や“気づき”は数えきれない程です。
その中でも今回は、私が学んだ内容から3つ
1つめは、「ヨガのゴールと原則」
2つめは、「ヨガアーサナの基本」
3つめは、「効果的な練習方法と指導のポイント」
を今回はレポートさせていただきます。
ヨガのゴールと原則
まず初日に、私が学んだことは、ヨガのゴールである「モクシャ(自由)」の意味です。
ヨガの目指す「自由」とは、「自分で心を制御できる状態」のこと。
例えば「怒りに我を忘れる」「不安で心が押し潰されそう」のように心が不安定になると、「お腹が痛い」「眠れない」といった体の不調に繋がることがあります。
「病は気から」といわれるように、心の働きは私達に絶大な影響力を持っています。
確かに、私自身も “緊張” や “怒り” や “焦り” といった感情に心が支配されると、なんだかソワソワして落ち着かず、普段では考えられないような失敗をしてしまい、「やってしまった…」と落ち込むこともしばしば。
自分自身の「心のコントロール」がとても難しいという事を経験しているので、ヨガのゴールにとても共感し、あっという間に1日目が終わってしまいました。
ヨガのゴールについての他、講座の1日目を通し「ヨガの基本原則」として、大きく5つの要素を学びました。その1つである『長さを出す』についてご紹介すると、まずは『ストレッチ』 と 『長さを出す』 ということの違い を知る事から、始まりました。
初めてヨガをした方はもちろん、ヨガの練習を続けている方でも混同している方が多いのですが、ヨガは決してストレッチでは無いのです。
『ストレッチ』とは、体を一方向に引き伸ばして、筋肉に刺激を与えることで、「あー、伸びてる。気持ちいい〜。」と感じる動作のこと。
私が実際に初めてヨガをした時も、仕事で凝り固まった体が伸ばされて「気持ちいい〜」と思っていたのですが、これは本来のヨガが目指す快適さでは無かったということに、衝撃を覚えました。
『ストレッチ』 と 『長さを出す』で違うのが、筋肉の使い方です。
例えば腕を横に伸ばしてみてください。そして、伸びている筋肉の反対側の二の腕を触ってみてください。ぽよよーんと、何の力も入っていない状態になっていませんか?あるいは、反対側に力を入れようとしても、うまく力が入らないような感覚があるかもしれません。
これは、伸ばされている筋肉の反対側の筋肉が、全く働かず完全なリラックス状態のためです。
これが『ストレッチ』の動きです。
それでは、ヨガの『長さを出す』を意識して同じように腕を伸ばしてみます。
まず、腕を90度に曲げて、拳を握りしめ、力こぶを作ってみましょう。次にその腕の力が抜けないように、ゆっくりと腕を伸ばしてみます。
すると、先ほどストレッチしていた時にぽよよーんと何の力も入っていなかった二の腕が、しっかりと両方向に力が入って、先ほどよりも力強く、引き延ばされている状態になっているかと思います。
これが、ヨガの『長さを出す』という事。
実際にこの『長さを出す』ことをしっかりと意識して、タダアーサナ(山のポーズ)を行うと、ただ立っているように見えるのに、全身の筋肉を働かせなければならず、非常にエネルギッシュなアーサナであることが、分かりました。
つ…疲れる。
でも、体の中に空間が出来て、ただ立ってる時よりも、自分のエネルギーが体を回っているように、感じました。
このエネルギーが体を巡っている力強い体の状態が、ヨガの心地よさなのかなと、少しだけ感じ取ることができました。
この基本原則を、すぐに理解することは難しいですが、コースを通して基本原則を繰り返し実践することで、自分の中に徐々に根付いていると、感じています。
ヨガアーサナの基本
コースの中でも1番多くの時間を費やすのが、ヨガのアーサナについてです。ウォーミングアップ、立位、座位、後屈、ツイスト、逆転といった系統に分けて学びました。
コースの約3分の2の時間を使って、それぞれの系統について『原則』『効果』『基本のアーサナ』を丁寧に紐解いていきます。
特に立位で最初に学ぶタダアーサナ(山のポーズ)や、座位で学ぶダンダアーサナ(長座のポーズ)は、全てのアーサナに通じる部分にもなるため、特に丁寧に時間をかけて学びました。
タダアーサナでは『正しい立ち方』を、ダンダアーサナでは『正しい座り方』を学びます。
体のどの部分が地面につき、重力の力がどのように働き、アライメント(骨の配列)がどのようになっているべきなのか。
もしその正しい姿勢が保てない場合、どこが原因で、どうすれば改善できるのかを、実際に参加している生徒同士の体を使って体感しながら行います。
この正しい立ち方や座り方を学ぶということは、日常にもすぐに活かせる部分です。
もし間違った立ち方を続けた場合、体のバランスが崩れ、“よく使う筋肉” と “全く使われない筋肉” が出てきます。
筋肉は使われないと、硬くなるという性質があるため、不均衡な体の使い方を続けると、「肩凝り」「腰痛」「むくみ」「柔軟性の低下」などといった『不調』として出てくる事も。
私も2歳の息子の抱っこでは、ついつい片方の骨盤に乗せて抱いてしまったり、鞄を同じ肩にかけて持っていたりと、心当たりがたくさんあり…正しく立つ、正しく座るといった基本となる姿勢も、ヨガプロップス(ヨガポーズの補助器具)をふんだんに使って行っていました。
ヨガベーシックコースは約2ヶ月間の講座になりますが、そのコース期間内に全てのアーサナが出来る様になる事は難しく、実際にコースに通っていた私を含め同期の中でも「アーサナが心地良くできない、難しい」といった声はありました。
ただコースに通っているうちに、日常の中で「あ、骨盤が倒れているな。」や「片足に体重をのせてしまってる。」といったアライメントの崩れを気にするようになる方が、非常に多かったです。私もその1人。
生活の中に、少しずつヨガが浸透しているなぁと、実感できた出来事の1つです。
「このコースではたくさんのことを学びますが、コース受講中に全てを出来る様になることは難しいです。今は、理解できないこともあるでしょう。
コースを卒業しても、ヨガの練習を続けることで、今は分からなかった内容が、急に理解出来る様になったり、あなたを助けたりする事があるはずです。」
これは、コースの初めにセバスチャン先生が挨拶の中で生徒の方に送ったメッセージの1つです。
その言葉を胸に、焦らずにじっくりとヨガと向き合う事ができました。
効果的な練習方法と指導のポイント
私がヨガインストラクター資格コースで学びたいと思った大きな理由は、「正しい知識」を得たい思ったからです。
本、インターネット、DVDなど、ヨガには沢山の勉強方法がありますが、初心者の私が自分で“正しい” “正しく無い” を判断するのは難しいもの。
そこで、「信頼をおけるインストラクター」から、「信頼のおける正しい知識を生で見て経験して学びたい」と、受講を決めました。
実はコースディレクターのセバスチャン先生も、10年毎にヨガを学び直しているとのこと。「もっといい方法があったと気づいては、0から学び直すを繰り返したからこそ、正しい練習方法を学ぶ事は非常に重要だ。」と、「正しい知識」を学ぶ事を重要視していました。
私はその話を聞いて、「このコース、受けてよかった!」と思いましたし、卒業した今も「間違いなかった」と感じています。
コースでは初心者向けのアーサナを中心に行いますが、どれも正しく行おうとすると一筋縄ではいきません。
実際に自分でアーサナを行ってみると、「あれ?!何かが違う気がする…」となる事がほとんど。
一つ一つのアーサナを、効果や実施のポイント、初心者向きの練習方法と軽減方法について学びました。まずは正しい練習方法を知ることが、アーサナの理解と上達の近道です。
実際に目の前で、先生がアジャストメント(ポーズの調整)やアドバイスをすることで、アーサナが深まったり、無理をして行っていたアーサナが、みるみる心地良いアーサナに変化していく様子を目の前で見ることができ、テキストの中だけでは得られない学びとなりました。
また私がインストラクションを学ぶ中で特に印象に残ったのが、「レッスンの成功の鍵を握るのは、良いウォーミングアップと、レッスン前の空気作り」であるということでした。
ウォーミングアップについては、コース中にも幾度となく全員で行うため、良いウォーミングアップをすることで、自分の体の動きが良くなる事を実感していました。
ただ、通常のレッスンを行う場合は、当たり前ですが、お客様はレッスンにくる前はそれぞれの生活を送られてます。そのためスタジオへ来られた時には、お客様全員が、気持ちも境遇もバラバラ。
そのバラバラの気持ちで集まっているお客様全員を『さぁ、今からヨガのレッスンをするんだ』という意識へ統一させるという事が、第一に大切という話は、本当に目からウロコでした。
その他にも、レッスンを組み立てる具体的な話や、インストラクターとしての心構えを、先生の経験談と共に伝えてもらいました。
また、コース内では、実際に生徒同士で教え合うことも度々ありました。
最初は辿々しく、声も小さくなってしまいましたが、回を重ねる毎に、少しずつ慣れていくことができ、実技試験の時は緊張するものの、この経験が活かせたと思います。
最後に
たくさん学んだ中から今回は3つをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
この他にもコースの中では、プラーナーヤーマ(呼吸法)、解剖学、哲学、アーユルヴェーダなど、様々な側面からヨガについて、深めていきます。
それぞれ1コマ(3時間)で基礎だけを学ぶのですが、正直「もっと知りたい!」と思う事ばかりでした。
アーユルヴェーダでは自分の体質診断をしたり、哲学ではカード占いをしたりと、今の自分について知る良い機会にもなりました。
初めての事や、気づきの連続で夢中で学び続けた2ヶ月でしたが、挫けずに最後まで前向きに参加できたのは、同期の存在がとても大きかったです。
一緒に学ぶ仲間がいるということは、想像以上に頼もしく、思った以上に励まされました。
最後の卒業式では、先生を始め、同期みんなで感想をシェア。「泣かない…」と思っていたのに、最後は涙涙で、お互いの学びと出会いに感謝し合いました。
素晴らしい先生とヨガの仲間に出会えたことは、このヨガTTCで得た1番の宝だと思います。
これからもこのコースでの学びと出会いを大切に、ヨガを続けていきます!