当然のことではありますが、妊娠は身体に大小様々な変化をもたらします。
「体重が増えて体が気だるい…」
「出産が不安でどうすればいいか分からない…」
妊娠中は、肉体的だけではなく精神的に不安なことも増えてきます。
そんなお悩みの解決に繋がるかもしれないのが「マタニティピラティス」です!
ピラティスと聞くと、少しハードなものを想像される方もいらっしゃるかもしれません。
でも、安心してください!
ピラティスは元々リハビリを目的として考案されたエクササイズであり、さらにマタニティさん向けに改良したものが「マタニティピラティス」になのです。
そこで、本記事ではマタニティピラティスについて解説してきます!
Contents
マタニティピラティスとは
マタニティピラティスを簡単にいうと「マタニティ向けにアレンジしたプログラムで構成されているピラティス」のことです。
ピラティスは、胸式呼吸によるゆっくりとした呼吸とストレッチを中心としたエクササイズですが、主に「インナーマッスルを鍛えて骨を正しい位置に戻す」といった効果があります。
また、ピラティスはヨガと同様に、運動が苦手な妊婦でも無理なく安全にできるエクササイズなので、ご自宅でも気軽に行うことができます。
マタニティピラティスとマタニティヨガの違いは?
ピラティスとヨガは似たようなものだと思っている方は多いのですが、実は全く違うものです。
例えば、呼吸においては「ピラティスは胸式呼吸(ラテラル呼吸)で行うエクササイズ」「ヨガは腹式呼吸で行うポーズ」などの差があります。
他にも、身体のインナーマッスルを鍛え機能改善につなげるピラティスに対し、リラックス効果を得られるヨガといった違いもあげられます。
ピラティスとヨガの違いについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
マタニティピラティスで解消が期待できる妊婦の3つの悩み
妊婦は、赤ちゃんが大きくなるにつれ、肉体的にも精神的にも、さまざまな悩みを抱えるようになります。
ここで、マタニティピラティスをすることで、解消が期待できる妊婦の悩みについてお話します。
妊娠中の急な体重の増加
妊娠中は赤ちゃんの成長もあり、妊婦は20㎏以上も増えることがあるほど、体重が大幅に変化します。
体重が急激に増加することによる容姿の変化は、妊娠中であってもキレイでありたいと思う多くの女性にストレスをあたえます。
また、ストレスのみならず、母体の太りすぎは、妊娠中毒症や微弱陣痛などのトラブルを引き起こしやすいので注意しなければなりません。
適正体重を維持するためにエクササイズを行いたいところですが、妊娠期間中は身体に負担のかかる運動を控える必要があるため、エクササイズの種類を慎重に選ぶ必要があります。
身体のだるさや疲れ
妊娠中は、体重の増加によって骨や筋肉などに負担がかかることで、身体のバランスが崩れがちであり、身体のだるさや疲れを感じることがあります。
また、妊娠中は黄体ホルモンの分泌増加によって、情緒不安定や身体のだるさといった症状が出るともいわれています。
妊娠中であっても、仕事に家事にと忙しく働いている妊婦にとって、身体のだるさといった症状は解消したい悩みの一つでしょう。
妊婦特有の精神的な負荷
出産は、人生で数回経験するかどうかの一大イベントです。
もちろんうれしいことではありますが、日常にはない出来事であるためストレスを感じることも多いでしょう。
ただでさえ出産に対する不安やストレスを抱えている状態で、目まぐるしい身体の変化まで現れるので、精神的な負荷はかなり大きいものとなります。
あまりに精神的な負荷が大きいと母体に影響を与える可能性があるので、妊娠期間中は精神的な負荷を軽減してリラックスすることが大切です。
マタニティピラティスは妊婦特有の悩みの解消に最適
上記でお伝えしたように、妊娠期間中は妊婦特有のストレスや体重増化、身体の変化によって起こる不調など身体的のも精神的にも抱える悩みが数多くあります。
妊娠中は「身体に負担のかかる運動は禁止」などの制限もあり、なかなか上記の悩みを解消することは難しいのですが、マタニティピラティスならその悩みを解消することが期待できます。
マタニティピラティスの4つの効果
ここからは、マタニティピラティスによって得られる4つの効果をお伝えします。
運動不足の解消
マタニティピラティスは胸式呼吸によるストレッチが中心なので、母体への負担を心配することなく安心して取り組むことができます。
また、ただ単純にストレッチというわけではなく、インナーマッスルを鍛えることができるので、身体に負担をかけることができない妊婦の運動不足を解消する効果があります。
マタニティピラティスを活用し、適正な体重維持を目指しましょう。
体重増加の重みからくるだるさの解消
妊娠中も、時期によってインナーマッスルを鍛える必要があり、マタニティピラティスの動きは外側の筋肉よりも内側の筋肉である「インナーマッスル」を鍛えることができる効果があります。
インナーマッスルを鍛えることによって、重くなった身体を支えることができるので、体重増加の重みからくるだるさの解消につながります。
リラックス効果でストレスを軽減
マタニティピラティスは胸式呼吸を用いてエクササイズを行います。
そのため、交感神経が活性化しリフレッシュされる効果があります。
また、適度な運動はストレスを解消する効果があり、マタニティピラティスは妊娠中のストレスを解消するのにぴったりな運動法といえるでしょう。
出産に対応できる体づくりができる
マタニティピラティスは出産に必要な「骨盤底筋」を鍛える効果があるため、安産につながる体づくりを助けます。
また、マタニティピラティスで身体を鍛えておくと、通常よりも早い産後の回復が期待できるでしょう。
出産のための体づくりにもマタニティピラティスは効果を発揮するといえます。
マタニティピラティスの注意点
マタニティピラティスは妊娠中の運動ということで、通常のピラティスとは違い特に注意が必要です。
まず、妊娠初期は体調が不安定なためマタニティピラティスのレッスンを受けることはできません。
マタニティピラティスを行えるのは、妊娠安定期16週目以降からとなります。
ただし、16週目以降でも、専門の医師から許可を得ていないと受講することができないので、かかりつけの医師から許可をもらってから受講しましょう。
安定期に入ってからも、中期・後期で妊婦は絶えず身体の変化があるため、身体の状態に合ったマタニティピラティスを行うよう注意が必要です。
また、マタニティピラティスの勉強をした講師が提供するレッスンに参加するようにしましょう。
マタニティピラティスのエクササイズ例
マタニティピラティスのエクササイズには様々な種類がありますが、ここでは代表的な2つをご紹介します。
- ベルピックチルト
- ウォールスクワット
ベルピックチルト
【効果】ベルピックチルトは、重たくなったお腹に引っ張られるように腰が反り(骨盤の前傾)、腰痛が起こりやすくなる妊娠期に最適です。
骨盤を後ろに傾ける事で骨盤周りを守る筋肉群が働き、腰痛を緩和し、骨盤内の血流が良くなります。
また、お腹の重みで詰まった股関節もストレッチできます。
それでは、エクササイズ例を見てみましょう。
①お腹が潰れないように脚を広めに立膝にして座る。
骨盤をなるべく床から真っ直ぐに立ち上げて座る。
お尻の割れ目の上にある仙骨という手のひらサイズの骨が床から垂直になるのを目指す。
背中が反らないように注意。(ニュートラルポジション)
手は膝に楽に置き、肩は前に倒れないよう背中に壁があると思って張り付けておくイメージ。
②鼻から息を吸って、口から吐きながら骨盤を後ろに倒します。
仙骨を床から平らになるように尻尾の骨から順番に床に向かって倒します。
目線はおへそを覗き込むように、胸の骨と首の骨もゆるやかなカーブになります。
③吸いながら最初のポジションへ戻ります。吐きながら骨盤を倒すのを繰り返します。
体調を見ながら、朝晩ゆっくり深い呼吸を意識しながら5回程度を目安に行ってください。
ウォールスクワット
【効果】ウォールスクワットは、ホルモンの分泌により関節が緩みやすくなっている上に、重くなってきたお腹で負荷がかかり続けている骨盤を支えるお尻の筋肉を鍛える事によって、体幹が安定し、恥骨の離開などトラブルを予防します。
それでは、エクササイズをみてみましょう。
①壁に手をついて立ちます。
ニュートラルの姿勢で、まっすぐ、もしくは少し寄りかかるように。
腕をつっかえ棒のようにまっすぐつき、肘は伸ばします。
②骨盤を動かさないようにしながら、少し片脚を浮かせます。
③膝の位置を変えずに、息を吸いながらお尻を後ろに突き出していくことによって股関節と膝が曲がります。
膝がつま先より前に出ないように注意して下さい。
背中のニュートラルは保ったまま、腰は丸めません。
軸足のお尻の筋肉が伸びていくのを感じて下さい。
④息を吐きながら、お尻の筋肉を引き締める意識で膝を元に戻します。
朝晩、片脚ずつゆっくり5回ずつ
実際にマタニティピラティスを受けている方の声
腰痛や不調が緩和したママ
妊娠前にもピラティスのクラスを定期的に受けておりました。
妊娠初期はピラティスのクラスに通う事が出来ず、腰痛などに悩まされましたが、安定期に入ってから、ピラティスのクラスに通い出したら、腰痛や身体の不調が緩和されました。
明らかに体が軽く体調が良くなったママ
妊娠中は、なかなか妊婦さんが入れるクラスがなかったのですが、いくつかスタジオを探してマタニティピラティスをするようになりました。
レッスンを受けだしてから、明らかに身体が軽く、体調がよくなりました。
妊娠中にある慢性的な不調だったら、スタジオに来てピラティスを受けた方がすっきりします。
心が落ち着いてくると感じたママ
出産時の呼吸の練習になると思う。
(出産時もピラティスの時と同じく呼吸を止めてはいけないため。)
深い呼吸を繰り返すだけで心が落ち着いてくる。
元気なマタニティライフが送れていることを実感したママ
妊娠前からピラティスをしています。もともとピラティスをしていたので、日頃から正しい姿勢を意識していました。
妊娠中も意識しているので、大きく体調を崩すことなく、大きくなったお腹を支えるだけの筋力があるので、元気なマタニティライフを送れています。
もちろん、妊娠中だけではなく、産前からピラティスをやっていることが大きいかもしれません。
脚がつらなくなりむくみも気にならなくなったママ
マタニティピラティスで脚の動きをやってもらっているおかげか、脚がつらないしむくみも気にならない。
マタニティピラティスはこんな環境が最適
マタニティピラティスは資格を持っている人とやるのが安心
日本には様々なピラティスの団体と資格がありますが、その中でもマタニティピラティスのインストラクター資格というものがあります。
マタニティピラティスは通常のピラティスとは違い、下記のようなことを学んでおかなければなりません。
- 妊娠のしくみ
- ホルモンのこと
- 様々な身体と心の症状、その変化
- 体重管理とその必要性
- 初期・中期・後期の注意事項とエクササイズ
- 心のケア
- 妊婦さんが参加する時のクラスデザイン例
- 妊娠のための身体づくり
妊娠中は心も身体もデリケートな時期なので、妊娠とエクササイズについてしっかりとした知識を持つインストラクターと一緒にマタニティピラティスを行うことで、不安が減り、ピラティスの効果を高めてくれます。
ヴィオラトリコロールに在籍するマタニティピラティスのインストラクターも、しっかりと講座で学び、妊婦の身体や心の調子に合わせて対応できるようにしています。
また、ヴィオラトリコロールでは、マタニティピラティスのインストラクター資格を取得することができます。
産前・産後のママの健康を考える、マタニティピラティスを学んでみよう!
まとめ
今回は、妊娠中の悩みの解消が期待できるマタニティピラティスについてご紹介しました。
体調不良の緩和やストレス軽減が見込めるマタニティピラティスは、妊娠中の女性にとって強い味方となってくれるエクササイズと言えるでしょう。
興味のある方は、マタニティピラティスのレッスンを検討してみてはいかがでしょうか。