現在、誰でも無理なく安全にできるエクササイズとして注目を浴びているピラティス。
体に負担をかけずにインナーマッスルを鍛えられるとして人気があります。
ピラティスのレッスンでは体の動きや体の部位に関して専門的な用語が使われることがあり、用語を知っているとピラティスの高い効果を感じられるでしょう。
そこで、本記事では、ピラティスで使用されることの多い専門用語を解説します。ピラティスに通い始めたばかりの方や、ピラティスのインストラクターを目指している方はぜひチェックしてみてください。
Contents
ピラティスとは
ピラティスは、身体に負担をかけることなく、インナーマッスルを鍛えるエクササイズです。
1920年代にドイツで負傷兵のリハビリとして考案されました。姿勢改善、ダイエット、筋肉量アップなどの効果が期待できます。
ピラティスには、「マットピラティス」と「マシンピラティス」の2種類があります。それぞれ詳しく確認していきましょう。
マットピラティス
マットピラティスは、マットの上で行うピラティスです。
ヨガの動きをとりいれ、全身を満遍なく鍛えられるのが特徴。
基本的に道具は使用せず、マットだけあればできますが、ゴムベルトやローラー、バランスボールなどを使用することもあります。
マットピラティスは自宅でも気軽に行うことができる点が魅力的です。
マシンピラティス
マシンピラティスは専用のマシンを使用して行うピラティスです。
目的ごとにマシンを使い分け、500〜600種類ものエクササイズが行える点が特徴。
また、マシンによって身体にかかる負荷を調整できるため、マットピラティスと比べ、より初心者向けといえます。
ただし、マシンがあるスタジオでのみ行えるピラティスであるため、自宅などで気軽に行えない点がデメリットとされています。
覚えておきたいピラティスの用語
ピラティスのクラスでは、専門用語が使われることがあります。
ここでは、クラスで使用されるピラティス用語の意味を一つずつ確認していきましょう。
アライメント
アライメントとは、骨と骨の相互関係のことです。
ピラティスで使用される場合には、「姿勢」と捉えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、インストラクターから「アライメントを確認しましょう」「アライメントを意識しましょう」などの声がけがあった場合には、姿勢を意識します。骨や関節、筋肉のバランスが整い、身体を効率的に動かせるため、体の上下左右が対称となっていることを確認することが重要です。
アーティキュレーション
アーティキュレーションは背骨を関節ごとに動かすことを指します。
背骨と一言にいっても、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎があり、背骨をしなやかに動かしていくためには、一個一個の動きを意識することが重要。
ピラティスでは、ロールダウンやロールアップ、ショルダーブリッジなどを行う際に用いられることの多い用語です。
インプリント
インプリントとは、ピラティスの基本姿勢の一つで、仰向けになり骨盤を後傾させてとる姿勢のことです。
お腹に力を入れ、骨盤を後傾させ、腰をマットに押し付けます。腰が反って負担がかかるのを防ぐのに役立つ姿勢です。
胸式呼吸
ピラティスで使用される呼吸法は、胸式呼吸です。
胸式呼吸は簡単に言うと、胸を意識して鼻から吸って口から吐く呼吸のこと。
交感神経を優位にさせ、運動パフォーマンスをあげる効果が期待できます。
また、呼吸をする際に肋骨周りの筋肉や腹筋の深層部にアプローチできるため、インナーマッスルが鍛えられる呼吸法とされています。
コア
コアとは、身体の中心という意味を持ち、体幹とも表現されます。
具体的には、身体の中心にある胸や腰、お腹、お尻などの胴体部分を指し、身体を支える上で重要とされる部分です。
ピラティスでは、コアを中心とした全身のインナーマッスルを鍛えていきます。
コントロロジー
コントロロジーとは、身体をコントロールする学問のことです。
創始者であるジョセフ・ピラティスは現代で「ピラティス」とされているものをコントトロジーと呼んでいたとされてており、まさにピラティスの原点ともいえます。
コントロロジーでは、反射的な動きに支配され筋肉を動かすのではなく、「意識」で筋肉をコントロールすべきであるという考え方が一般的です。
自身の身体を意識でコントロールして自由に動かせるようにすることで、心身の安定を保つことこそが人間のあるべき姿であるとされています。
Cカーブ
Cカーブは、すでに説明したピラティスのインプリントポジションともされている基本姿勢の一つです。
コアの意識が最もしやすい姿勢とされ、Cカーブには腹横筋が鍛えられ、骨盤や背骨の歪みの解消といった効果が期待できます。
Cカーブは、仰向けになり腹筋を使って骨盤を後傾し、背中をマットにつける体勢をとります。
Cカーブをとっている姿勢を横から見ると骨盤や背骨のラインが「C」に見えることから「Cカーブ」と言われています。
Cカーブを行う際は、首や肩周りの力を抜いて、胸式呼吸をしっかり意識して行ってみてください。また、慣れてきたら座って行うことにもチャレンジしてみるとよいでしょう。
スクープ
スクープは、姿勢を安定させるピラティスの基本の体の使い方の一つ。
おへそを内側に引き込み、下腹部から胸の方へ引き上げる動きをとります。ポイントは、背骨の方へとおへそを引きつけるイメージをもって行うことです。
また、スクープを胸式呼吸と合わせて行うことでインナーマッスルに効果的に働きかけ美しいウエストラインが作りやすくなるとされています。
チントゥーチェスト
チントゥーチェストは、顎の下に拳1個分のスペースを保った状態のことを指します。
顎が胸から近すぎず遠すぎない位置にあり、脊椎と首が一直線になっているイメージをもちましょう。
この姿勢をとることで腹部や肋骨が膨らむのを防げます。
テーブルトップ
テーブルトップは、仰向けになり股関節と膝関節を90度曲げてとるピラティスの基本姿勢です。
この姿勢からさまざまな動作に入るようなエクササイズが多くあります。
ポイントは、お腹をひきこみ、腰が浮かないように注意し、体幹を安定させることです。
ドローダウン
ドローダウンは「肩を下げること」で、ピラティスの基本的な身体の使い方です。
ニュートラル
ニュートラルとは、「中立」という意味です。ピラティスでは、「骨盤が」安定する正しい姿勢とされ、インプリントと合わせて基本の姿勢とされています。
ニュートラルな姿勢をとると骨盤の安定、腰椎の自然なS字カーブがキープでき、背骨が真っ直ぐと伸びるという効果が期待できます。
また、S字カーブによって身体への衝撃が吸収され、インナーマッスルが動かしやすくなる点も魅力です。
ピラティススタンス
ピラティススタンスはピラティスの基本の立ち姿勢です。
股関節から脚を少し外に向け、内腿は閉じたままつま先を八の字に開きます。
足の内転筋群に力が入りやすくなることで下半身を安定させた状態が作りだせます。
プランクポジション
プランクポジションは、腕立て伏せをするような姿勢で、頭からつま先までを一直線の板のようにキープする姿勢のことです。
ピラティス以外にもヨガや筋トレなどでも使用される用語で、体幹アップの目的で取られます。
プランクポジションの姿勢をとる時のポイントとしては、お腹に力を入れて腰を反らないようにすることです。
フレックス
ピラティスで使用される基本的な足の動きの一つです。
足首を直角に曲げることを指し、足首の背屈と言われることもあります。
かかとは前に押し出すイメージですねの筋肉を働かせるのがポイントです。
ポイント
フレックスと同様、ポイントもピラティスで使用される基本的な足の動きの一つです。
ポイントは足のつま先を伸ばした状態のことを指し、足の底屈ともいわれます。
足の甲を伸ばすイメージで足の指が自然と伸びている状態を作っていきます。
ASIS
骨盤の、腸骨の前方上側にある骨の出っ張り部分のことで、正式には、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)といいます。
骨盤を意識した動きをする時に、骨盤の位置をチェックするために使用する用語です。
PSIS
PSISは腸骨稜の後端にある最も突出した部分のことです。
正式には、上後腸骨棘(じょこうちょうこつきん)とよばれます。
ASISとあわせて、仰向けの基本姿勢をとる時などに使用されることの多い用語です。
まとめ
今回は、インナーマッスルが効果的に鍛えられるピラティスで使われる専門用語を解説しました。
必ずしも全部覚えなければいけないというわけではありませんが、知っているとインストラクターの誘導の通りに体を動かせて、より安全にピラティスが行えます。
クラスで使用される専門用語を押さえてピラティスをより楽しんでいきましょう。