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ヨガで呼吸が苦しいあなたへ | ヨガのポーズ中に気持ちよく呼吸を行う方法を解説

ヨガのレッスンで最も重要と言っても過言ではない「呼吸」

おそらく全国どのヨガスタジオに行っても、この呼吸についてインストラクターの先生から指導を受けることがあると思います。

本来ヨガのポーズ中は、リラックスして呼吸も深く落ち着いているのが理想です。
ただ、難しいポーズをしたり、レッスン後半に疲れてくると、呼吸が粗くなったり、苦しくなったりすることがあるかと思います。

どうすれば気持ちよく、落ち着いて呼吸を行うことができるのでしょうか?
本記事では、呼吸の仕組みから解説して、気持ちよくヨガのポーズ中でも呼吸を行う方法を解説していきます。

 

呼吸は、筋肉運動


普段、無意識で行う呼吸。
呼吸に使う気管は、ご存知の通り“肺”です。
この肺が膨らんだりしぼんだりすることで、酸素と二酸化炭素の入れ替えが行われます。

しかし、この肺自体に自らを膨らませたり、しぼませたりする力が無いことは、ご存知でしょうか?

この肺を動かしているのは、「呼吸筋」と言われる筋肉群
筋肉の収縮によって、肺が動き、私たちは呼吸しているのです。
そのため“ 呼吸 = 呼吸筋 ”の 筋肉運動ということになります。

心地よい呼吸を意識する前に、どのような筋肉が呼吸に関連しているのかを事前に知っておきましょう。
そして、その基本的な動きを理解することで、ヨガのポーズに活かすことができます。

呼吸は、呼吸法(呼吸の種類)によって使う筋が違い、また吐く息・吸う息で使う筋肉が違います。
まずはそれぞれの動作で使われる筋肉を見てみましょう。

吐く時と吸う時に使う筋肉


“ 吐く息 ” に使う筋肉は、肋骨と肋骨の間、外肋間筋の内側にある「内肋間筋」と、脇腹の表層部にある「外腹斜筋」です。
この2つが収縮することで息を吐くことができます。

“ 吸う息 ” に使う筋肉は、胸筋と鎖骨から頭部につながる「胸鎖乳突筋」と、頸部(クビ)深層にある頸部(クビ)と肋骨をつなぐ「斜角筋」です。
この2つが拡大することで、胸郭を広げ、身体の中にスペースを作り、肺が膨らみ、息を吸うことができます。

全ての呼吸に関連する、胸腔と腹腔の境界にある「横隔膜」も立派な筋肉。
膜状の筋肉で息を吸うと縮みながら腹部のほうに下がり、胸郭を拡げることで、肺に空気が流れ込み、肺胞が膨らみます。
そして、息を吐くと、横隔膜は緩みながら自然に元の位置に戻ってきます。
その速度を意識的にゆっくりすることで深い腹式呼吸になるのです。

私たちが呼吸をするためには、体内のたくさんの筋肉が関わっています。
そして、深い呼吸をするには、それらの筋肉を正しく動かす必要があり、しっかりとしたトレーニングが必要なのです。

そのトレーニングはヨガの呼吸法でもあるので、ヨガ中の呼吸は意識して行うのがポイントです。

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なんちゃって深い呼吸に気をつけよう

ヨガを定期的に練習しているし、深い呼吸をしているつもりなのに、体のコリがあったり、便秘気味だなと感じる場合は、「なんちゃって深い呼吸」になってしまっているかも…?

正しく深い呼吸ができていれば、筋肉が動き、血流が良くなります。そして、内臓も刺激されるため、体のコリや便秘などが解消される効果も期待できます。

もしあまりヨガのポーズの効果が感じられない場合は、「日頃のストレスや運動不足」「スマホを見ている時間が長い」…などで背中が丸くなり、筋肉もかたくなってしまっているのかもしれません。

そのような中で、ヨガのポーズをしていても、自分では「深く呼吸できている」と思っていても、実は十分に呼吸ができていない可能性も

そんな方は次項の「気持ち良い呼吸でポーズをしてみよう」を実践してみましょう。

気持ち良い呼吸でポーズをしてみよう

ヨガの呼吸とは、ただ空気の出し入れをするだけではなく、呼吸をすることで身体中にエネルギーを巡らせ、コントロールすることです。

そのためヨガポーズを通して、ポーズ中に呼吸のコントロールできるようになれば、自ずと日常生活の中の呼吸も変わってきます。

なぜなら先ほどご紹介したように、呼吸とは筋肉運動のため、呼吸をコントロールする力が身に付くということは、呼吸に使われる筋肉も鍛えられ強くなっているということです。

ヨガポーズ中の呼吸を心地よくすることで、ポーズ中の呼吸はもちろん、鍛えられた呼吸筋によって普段の呼吸までも、自然に深い呼吸へと変わってきます。

まさに一石二鳥ですね。

ヨガポーズの練習で、呼吸が深まる理由

まず知って頂きたいのが、ヨガのポーズ中に呼吸が苦しくなったり、辛くなったりすることは、自然なことであるということ。

それは、ヨガポーズでは普段の生活で行わないような「背骨をねじる」動きや「逆転」などの動きをしているため、呼吸も最初は苦しなるのが、当然のことだからです。
その「呼吸が苦しい」「呼吸がし辛い」と感じる中でも、「深い呼吸をしてみよう」を心がけるようにすることで、だんだんと体が慣れていきます。

あなたも、ヨガのポーズ中に「深い呼吸をしよう」と意識することで、ねじれた背骨の周りの筋肉が、自然とほぐれていくような感覚に出会ったことは無いでしょうか?

これは“背骨をねじっている筋肉”と“呼吸で使っている筋肉”が、ポーズをとる中で自然と連動し、ポーズ中に使っている筋肉自体がまるで「呼吸筋」のように、深い呼吸に合わせて動くようになるため
そのため、ヨガのポーズ中に「深い呼吸をしよう」と意識し続け、練習をすることで、呼吸が深まっていくのです。

ただし気をつけなければいけないのが、練習中に「呼吸をしなくちゃ!」と呼吸だけに意識を向けすぎること。「呼吸呼吸呼吸…」と過度に呼吸ばかりに意識を向けすぎることで、逆に呼吸が浅くなってしまうことがあります。
そんな時は、呼吸から他の部分に意識をうつして、ヨガポーズをしてみましょう。

  • 足のどの部分がマットについているのか
  • 重力はどのように働いているか
  • 肘や膝は伸ばし過ぎていないか

などと意識することで、ポーズ中の体のアライメントも整い、深い呼吸を助けてくれるのでおすすめです。

まずは呼吸がしやすい体の土台作りから

気持ち良い呼吸でポーズを取るために、まずは呼吸がしやすくなるよう体の土台を3つのステップで整えていきます。

呼吸をするに動く筋肉は「呼吸筋」と呼ばれ、肋骨と肋骨の間にある『助間筋』や『横隔膜』が動くことで、胸を広げて呼吸を行います。
この肋間筋と横隔膜が硬いと、息を吸った時に胸が広がらず、呼吸が入りづらくなってしまいます。

まずは『鎖骨』『みぞうち』を暖めることで、呼吸筋を緩め、動きを助けてあげましょう。

ステップ1:鎖骨の下をほぐす

まずは鎖骨にアプローチ。
鎖骨の下をほぐすことで、呼吸時に肋骨が広がるのを助けてくれます。

  1. 鎖骨の下のくぼみに手のひらを当てて、じんわりと温めます。
  2. あたためた箇所に指を押し当て、左右にこすりましょう。痛みがある場合は、痛気持ちいいくらいの強さを目安に、固まった筋肉をほぐすイメージで行います。
  3. 鎖骨の下がほぐれたら順に、肋骨と肋骨の間の筋肉にも、同様にアプローチしましょう。女性の方は胸が邪魔になってしまうため、できるところまででOKです。

ステップ2:みぞおちを緩める

つぎに鳩尾(みぞおち)にアプローチしていきましょう。鳩尾を緩めることで、横隔膜の働きを助けてくれます。
(※みぞおちとは、人間の腹の上方中央にある窪んだ部位のこと。 鳩尾(きゅうび)、水月(すいげつ)、心窩(しんか、しんわ)とも呼ばれる箇所です)

  1. 手の指をみぞおちに当てます
  2. 息を吸いながら、背中を丸め、優しく指の腹でみぞおちを刺激します。奥まで押し込むイメージで苦しくないところまで、グーっと押してみましょう。
  3. ゆっくりと顔を上げ、手の指の力を抜き、息を吸いましょう。
  4. 同様に3呼吸ほど行います。

やる前とやった後では、呼吸の入りやすさが違いますので、ぜひ試してみてくださいね。

ステップ3:お腹の動きの確認

ステップ3では、複式呼吸の状態を自分で確認してみます。

仰向けになり、お腹に重しをのせて呼吸することで、呼吸時のお腹の動きや分かりやすくなります。

  1. 仰向けに寝転びます。
  2. お腹の上に、ヨガブロックや、折りたたんだブランケットをのせます。苦しく無い程度にしてください。
  3. 腹式呼吸を行います。吐いた時に重しが下がり、吸った時に重しが上がっていればOKです。

重みが足りない場合は、ブロックやブランケットの数を増やしてみましょう。何も重しが無い時よりも、お腹の動きに集中でき、呼吸が深まりますよ。

気持ちよい呼吸を感じてみよう

呼吸は無意識の時でも、休むことなく常に行われています。そのため、私達は生きている大半の時間を特に呼吸に意識を向ける事はありません。

だからこそ、ヨガのポーズを取る時は、普段忘れがちな呼吸としっかりと向き合う大切な時間となります。

気持ち良い呼吸ができている時は、エネルギーが安定し、体も心も落ち着いて穏やかな状態です。
「呼吸がしづらい」と感じるポーズで呼吸を深める前に、まずは一番呼吸がしやすい体勢で、呼吸をしっかりと味わってみましょう。

気持ちの良い呼吸をするためのポイントはまず吐く息
息を吐ききってから、自然におなかを緩めるように吸いましょう。

理想は、土台が安定して、エネルギーが体内を呼吸と共にめぐっているようなイメージを持つこと。そうすることで心地良い呼吸ができるようになります。

先ほどご紹介した呼吸筋の動きや、横隔膜の上下、胸郭の拡がりをイメージすることで、さらに体の中に呼吸に必要なスペースを作れるでしょう。

これからいくつかヨガのポーズをご紹介しますが、もし難しかったり、心地良く無い場合は、ヨガプロップスを詰まって体勢を工夫してみましょう。

スカーサナ

下半身が安定し、背筋が真っ直ぐに伸びているスカーサナは、呼吸筋の動きをイメージしやすいポーズ。

どっしりと重たい下半身でマットに根づき、横隔膜の呼吸時の動きをイメージしてみましょう。「吐く息で上がり」「吸う息で下がる」を繰り返す横隔膜の動きにより、お腹にある内臓が上下に動かされています。

吐く息では、お腹を薄〜く背中にくっつけるようなイメージで吐き切りましょう。吸う時は、自然にお腹を膨らませるようなイメージで呼吸をします。

腰が丸まってしまったり、骨盤が後ろに倒れてしまう場合は、丸めたブランケットやブロックの上に座りましょう。プロップスが無い場合は、ヨガマットの端をクルクル丸めて座ってみましょう。

シャバーサナ

マタニティヨガ でもリラックスポーズとして用いられる、シャバーサナ。全身の力を抜き、マットに体をあずけ、マットに沈みこんでいくようなイメージで行います。

ひと息吐くごとに体から緊張が抜け、手足をだらんと力を抜き、お口もポカーンと開いてしまうような力を抜いたリラックスした様子をイメージしながら、呼吸に意識を集中してみましょう。

腰が痛い場合は、ヒザを曲げたり、腰の下にブランケットを引いて行ってみましょう。ボルスターがある場合は、ヒザから下を乗せると、リラックス効果大。妊娠されている方は、お腹や腰の負担にならないよう、姿勢を斜めにするなど工夫してみてください。

 

ヨガ中に呼吸が苦しいあなたへ まとめ

今回は、ヨガポーズ中に呼吸が苦しく感じる理由や、呼吸についての仕組みをご紹介しました。

呼吸だけに意識を向けすぎても、心地よい呼吸はできません。
あわせて、筋肉がしっかり伸びているかなど、他の部分も意識することが大切です。

辛いポーズのまま呼吸に意識を向けるのではなく、少しポーズを緩めて、同時に呼吸に意識を向けるのがポイントです。

まずは、簡単なポーズ中に呼吸からしっかりと意識し、難しいポーズ中でも呼吸を深くできるようトライしてみてくださいね。

 

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