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そもそも妊娠中ってヨガをしてもいいの?
妊娠中は10ヶ月に及ぶ長期間、嬉しい気持ちや不安な気持ち、様々な気持ちが本人の中で渦のように混ざり合っている複雑な期間かと思います。
そんな複雑で繊細な時期であっても、ヨガというものは大変おすすめです。
初心者の方が「ヨガ」と聞くとハードなものや身体を大きく折り曲げたものを想像しがちで、確かに実際そのような難しくハードなものもあるのですが、今回紹介する「マタニティヨガ」というものは妊娠中の方でも無理なく安全に行うことを想定して作られたヨガになります。
その効果は医療機関でも認められており、妊婦向けのクラスを提供している産院もあります。
ただし、お腹の赤ちゃんと母体の安全が第一であるため、ヨガの経験がない場合などは特に、自己流で行う前に専門の知識を持ったインストラクターのクラスなどを受けるのがお勧めです。
マタニティヨガを行ってよいのは安定期に入った16週目以降からです。
ただし、16週目以降とは言っても一概にはいえず、母体と赤ちゃんの状態は人それぞれで自分自身だけで判断するのは大変危険です。
マタニティヨガを始める前には必ずかかりつけの医師に確認をし、許可を取るようにして、個人で判断するのは絶対に避けるようにしてください。
スタジオでマタニティヨガのクラスを受ける場合、医師の許可証の提出を求められる場合もあるので事前に確認しておきましょう。
また、空腹時、食事直後や入浴直後にマタニティヨガを行うことは避けましょう。
マタニティヨガと一言で言っても、妊娠の週数によって注意するべきポイントも異なるため、ここでそれぞれの時期について詳しく見て行きます。
妊娠初期のポイント
妊娠初期には、つわりや下腹部の張りなどの不快な症状が出ることも多く、精神的にも不安定で、疲れやすい状態なので、呼吸法や瞑想などを行い、心をリラックスすることに重きを置きます。
この時期にアーサナ(ヨガのポーズ)をすることは、控えましょう。
また、呼吸法や瞑想を行う時も、下腹部に負担を掛けないこと、無理をせず、疲れたら横になるなど、ゆったりとしたペースで行いましょう。
瞑想や呼吸法に限らず、自分がリラックスできる時間を積極的に作るのがお勧めです。
妊娠中期のポイント
安定期に入り、医師からの許可が取れたら、いよいよマタニティヨガをスタートすることができます。
この時期は、つわりが終わり、精神的に安定してくると共に、食欲が増す人もいるため、食べ過ぎによる体重増加には注意しましょう。
また、妊娠初期に比べて体調も改善したと感じることも多く、色々とアクティブに活動したくなりますが、安定期と言っても無理は禁物です。
激しい動きや重いものを持つことは避け、無理せず周りのサポートを頼みましょう。
また、疲れを感じたらすぐに休憩しましょう。
ヨガを定期的に行っていた人は、通常のクラスに参加できる場合もありますが、その際はインストラクターに必ず妊娠している旨を伝えましょう。
お腹もまだそれほど重くないため、足腰を使って立って行うポーズなども気持ちよく行える時期ですが、お腹を圧迫するうつ伏せポーズや、強いねじりのポーズは厳禁です。
クラスの途中でも無理をせず、辛くなる手前で自分のペースで休憩のポーズ(チャイルドポーズやシャバーサナ、座位のポーズなど)を取るようにして下さい。
妊娠後期のポイント
後期になるとお腹が大きくなり、日常生活でもこれまで行っていた動きが思うように取れなくなる時期です。
胎動を多くの人が感じ、赤ちゃんとの繋がりを感じることができるでしょう。
その反面、大きくなった子宮や赤ちゃんの重みで臓器が圧迫され、頻尿やむくみ、こむら返りや、それらによる寝不足、腰痛などのトラブルに悩まされる人も増えてきます。
この時期は動くのが億劫になりやすい時期であるため、出産に向けた体力づくりの意味でも、体調が良ければ無理のない範囲で体を積極的に動かすことがお勧めです。
お腹の重みでバランスを崩しやすいため、この時期は主に座位や横になって行うポーズを行います。
また、お腹が張りやすくなる時期なので、少しでもお腹の張りを感じたら休憩しましょう。
臨月のポイント
臨月に入ると赤ちゃんが下に降りてくるため、内臓への圧迫は軽減されますが、食欲が増して急に体重が増えたり、お腹の重みで股関節の痛みや腰痛に悩まされたりすることが増えてきます。
お腹の張りも頻繁になり、いよいよ出産間近で、赤ちゃんに会えるという喜びと、出産への恐れで精神的にもとても繊細になる時期です。
この時期はポーズをとることよりも精神面にフォーカスして瞑想や呼吸法、簡単なストレッチを練習するのがお勧めです。
あなたと赤ちゃんにとって良いお産を迎えることができるように、この時期、ヨガを通して呼吸法を学ぶことはとても役に立ちます。
ヨガ経験者で出産をした人の多くが、出産時に痛みを逃し、心を落ち着けるのに呼吸法がとても役立ったと言います。
カパラ・パーティという腹式呼吸法は妊娠期にもおすすめで、分娩時にいきんだり、痛みを逃したりするのに役立ちます。
あぐらをかいて座り、背筋を伸ばして座ります。骨盤を立てるように意識しましょう。お尻が痛ければ、クッションやブランケットを敷きましょう。
お腹に力を入れ過ぎず、丹田(お腹から9センチほど下)を意識して、鼻から息を深く吸い、「フッ、フッ、フッ」と鼻から複数回に分けで吐き出します。苦しくならないようにゆったりとしたペースで行って下さい。
吐き切ったら、心地よさを感じるようであれば、再び鼻から息を吸って呼吸法を続けましょう。
マタニティヨガがもたらす、5つの効果
妊娠中の不安な心を穏やかにする
ヨガはもともと、ポーズではなく、瞑想を通して本当の自分の意識と繋がることを目的としており、そこに至るための手段としてポーズをとったことから、現代のエクササイズ的なヨガの側面が大きく発展してきました。
つまり、ポーズを取ることがヨガなのではなく、心を落ち着かせることがヨガの神髄なのです。
妊娠中に思うように体が動かなくても、自分のこの時期にしか感じられない体や心の変化を受け入れ、心を落ち着かせることができれば、充分にヨガの効果を得ることができます。
いつもより自分の体の変化に敏感になっている妊娠期間だからこそできるヨガがあります。
瞑想や呼吸法を通じて、自分の体と赤ちゃんを慈しむ時間を作り、マタニティライフを楽しみましょう。
出産に必要な体力や筋力の強化
運動不足になりがちな妊娠期間中でも、安全にヨガのポーズをとることで、適度に筋力を維持または鍛えることが出来ます。
少しずつでも続けて、体力や筋力が維持することができれば、出産時や、産後の回復にも良い効果が期待できます。
特に出産直後は出産を終えた体の回復に加え、授乳、寝不足や慣れない赤ちゃんの世話でとても疲れやすい時期です。
赤ちゃんがお腹にいる間は、産後よりも自分のペースで動くことができるので、体調や気分の良い時に、マタニティヨガを行い、体力をつけておきましょう。
例えば、腹式呼吸で座位のポーズをとるだけでも、背筋を伸ばすことで上半身の筋肉も刺激されます。
マタニティヨガは一見運動量が少ないように思えますが、お腹の赤ちゃんや自分の体の重みで体に予想以上の負荷がかかっているため、簡単に思える緩やかな動きでも効果が期待できます。
無理のない範囲で気持ちよく行い、出産や産後に備えましょう。
妊娠特有のトラブルの予防
妊娠期に多くの人が悩まされるむくみや妊娠糖尿も、ヨガを行うと、血液の流れやリンパの流れを改善し、運動量を増やして不要な体重増加を防ぐことで、予防や改善が期待できます。
マタニティヨガではストレッチ要素のあるポーズを良く取り入れるため、信頼できるインストラクターに指導を受けた上で慣れてくれば、自宅でもむくみや血流が滞っていると感じた時に、簡単なストレッチを自分で行うことができます。
出産に活かせる呼吸法
妊娠期間に行うヨガで最大のメリットともいえるのが、呼吸法の習得です。
ストレスを感じたり運動時に心拍が上がったりすると呼吸が浅くなりがちですが、ヨガでは常に呼吸を意識して行うよう促されるため、ヨガの練習を重ねれば重ねるほど、呼吸を通じて自分の体をコントロールするという感覚を得ることができます。
出産時はストレスや痛みで呼吸が浅くなりがちですが、そのような時に、深い呼吸に戻る習慣が出来ていれば出産時の大きな助けになります。
陣痛を逃す効果はもちろん、狭い産道を懸命に通り抜けてくる赤ちゃんにとってもお母さんの深い呼吸は命綱です。
さらに、余計な力を抜いて、いきむタイミングに集中するのにも役立ちます。ヨガを通して深い呼吸で自分の体と繋がる感覚を覚えましょう。
赤ちゃんとのつながりを感じ、愛を育む
妊娠期間中は、初期のつわりの時期が終わり、動けるようになると、出産のタイミングに向けて、色々とアクティブに行動したり、仕事を片づけたり、赤ちゃんを迎える準備をしたりと、思ったよりせわしなく過ぎて行きます。
一人でゆっくりするつもりが、ついスマートフォンを見て調べ物をして時間が過ぎてしまったといったこともあるでしょう。
自分で意識してスローダウンする時間を作りましょう。
ヨガは自分の体と心に集中できる時間をサポートしてくれます。
それは自分の体とお腹の赤ちゃんに意識を向けて、愛おしむ時間でもあります。
ヨガを通して、ゆっくりとママと赤ちゃんだけの特別な時間を楽しんで下さい。
マタニティヨガを安全に楽しむポイント
自己流で行わない
ヨガは家でも手軽にできるエクササイズですが、ヨガ未経験の場合は、信頼できるインストラクターやマタニティクラスを行っているスタジオを探し、教えてもらいましょう。
妊娠期に特に注意するべきポイントや怪我の予防法など、基本的なやり方を学んだ上で、できることから自宅で取り入れるのがおすすめです。
また、ヨガ経験者の場合も、慣れている分無理をしがちなため、マタニティクラスを受けて見ることをお勧めします。
体調第一、無理をしない
マタニティヨガは、赤ちゃんとママが心地よく過ごすためのエクササイズです。
気分がすぐれない、お腹が張るなど、少しでも気になることがあれば、すぐにお休みし、決して無理はしないで下さい。
自分の体調と気分が第一優先です。
楽しく行える範囲で行わないと、ケガをしたり、体に悪影響を与えたりする危険もあります。
残りの妊娠期間中はもちろん、出産後、そして子育てをしながら、ヨガをするチャンスは人生においてこれからもずっとあります。
自分の体調をしっかり観察することもヨガの一部です。
頑張って無理をしようとしている自分に気がついたら、マタニティヨガは、赤ちゃんとママが心地よくあるために行うものであり、ヨガをすることが目的ではないということを思い出しましょう。
かかりつけ医に必ず相談する
マタニティヨガを行う場合は、安定期に入って、かかりつけ医にヨガを行っても良いかの確認をとりましょう。
また、妊娠期間中は体調や状況も常に変化して行くため、検診のタイミングで都度確認すると良いでしょう。
マタニティヨガをやってみよう
DVDを見て家で行う
DVDは安価で、時間も自由に、自宅で思いついたらできるのが魅力です。
けれども、注意点や怪我をしないためのポイントがあるため、ヨガ初心者の場合は、まずはマタニティヨガのクラスを何度か受けてから、自宅で行うのがお勧めです。
病院で行う
病院によっては、院内でマタニティヨガを行っている場合もあります。
医師と連携しており、医師に相談して参加することができるため安心です。
また、同じ病院で他の妊婦さんと知り合うことができるのも魅力です。
ヨガスタジオで行う
ヨガスタジオではマタニティクラスの他、クラスやインストラクターによっては妊婦でも参加OKの場合もあります。スタジオに問い合わせてみましょう。
そしてもし可能であれば、信頼できるインストラクターとマンツーマンのプライベートレッスンで、ゆっくりと自分の体調やフォーカスしたい点に合わせて行うレッスンがお勧めです。
マタニティヨガにオススメウエア
妊娠期間中は、普段肌トラブルがないという人でも、ホルモンの影響で肌が敏感になることがあります。
なるべく天然素材を使ったデリケートで肌にストレスを与えない肌触りの良いものを選びましょう。
またボトムスは下腹部を締め付けないデザインで、ストレッチ感があり、お腹を冷やさないハイウエストのものもお勧めです。
ゆったりとした形でもデザイン性の高いウエアであれば、出産後も長く着ることができます。
ヨガをするのが楽しくなるような自分のお気に入りをぜひ探してみましょう。
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妊娠期間中だからこそできるマタニティヨガの魅力をお伝えしました。
ぜひ、ヨガのサポートを利用して自分と赤ちゃんの体の変化、そして自分の心の変化を楽しんで充実したマタニティライフを楽しみましょう。
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