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ACO先生 による、『テンセグリティー・ヴィンヤサ ワークショップ ~ヴィンヤサヨガ入門編~』(ワークショップレポート)

ハタヨガに慣れてきた方が、次に練習する場合が多いとされている『ヴィンヤサ』スタイル。
ヴィンヤサヨガというだけでもチャレンジングな感じがするのに、さらに『テンセグリティー』という言葉を聞くと、なんだか少し難しそうと思う方もいるかもしれません。筆者もそのひとりでした。

テンセグリティーとは、主に建築物など構造工学で使われる言葉で、引っ張る力と圧縮する力が拮抗することで構造が保たれた状態のこと。これを『自己安定化』とも言います。テントを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。

ACO先生がご自身の20年以上の指導経験とこの理論を応用したものを合わせて考案されたのが、テンセグリティー・ヨガ®です。

まず、輪ゴムと棒を使ってできた球体模型のテンセグリティーを目で見て、言葉で理解したあとは、実際に身体を使って理解を深めます。
3~4人のグループになって、全員の身体を使って1つのポーズを取り、引っ張る力と圧縮する力が拮抗した状態がどのようなものか理解します。

これがとても面白く、人間に備わった身体の学習能力の素晴らしさを実感できます。力学的に見れば当然のことなのかもしれませんが、理論を学んだあとに実際に自分の身体を使って体験してみると、テンセグリティ―の理論をとても理解しやすかったです。

続いて、ACO先生流のヴィンヤサの考え方を理解します。
『ヴィンヤサ』というスタイルは、呼吸と動きを連動させるもの、と理解している人は多いと思いますが、ACO先生の考えでは、もう一歩進んで『始まり~中間~終わり』という流れを大切にし、常に変化する世界の在りようを『今ここ』の連続として体現していくこと、としています。

後半は、テンセグリティー・ヴィンヤサヨガのフロー(シークエンス)をやってみることで、自分自身の身体を通してテンセグリティー=『自己安定化』という概念を理解してきます。

実践は、前後屈のフローとそれより運動強度の強い基本のフローの2種類。

前後屈のフローは、ポーズ数も5つと強度もそれほど強くありません。
やってみると、シンプルな動きであるほど、どこに意識を向けるとより効果的か、どのようにしたら前後のブレを修正できるかなどが、回数を重ねることで分かってきます。
また、意識を向けるところをどんどんと変えていくことでより安定した力強いシークエンスになっていくのを実感できます。
これは自分の練習だけでは引き出すことが難しい部分であり、ワークショップなど少し時間をかけて練習をするメリットだと感じました。先生の巧みなインストラクションによって、1つのシークエンスのなかでたくさんの試みにチャレンジできました。

もうひとつの基本フローは、10程度のポーズを含み、前後屈のフローよりも強度もあります。人によっては難しい、きついと感じる部分もあるかもしれません。

『常にブレるのは当たり前。その一瞬の中にも今という軸を感じて。』これもまた、心に残るACO先生の言葉でした。

完璧を目指すのではなく、まずはポーズからポーズへ移っていく際の『始まり~中間~終わり』を意識する練習と思って取り組むのが良さそう。

1つのポーズから次のポーズへの『終わり~始まり』のフェーズがうまく行かないなど、人によっては、課題となるポーズや動きが明確になるというメリットもあるなと感じました。

筆者は、スムーズに流れを感じられる動きができる部分とそうではない部分が明確になったことが、この講座での大きな収穫になりました。

テンセグリティ―・ヴィンヤサヨガは、『自分の体とその外側の世界の融合』とも。
その感覚を味わうには、ある程度の練習量が必要にはなりそう。
とはいえ、筆者は、この講座を1回受けただけで、翌日前屈をしたときに股関節の動きがとてもスムーズになったように感じました。
これは安定に向かって、自力で身体を微調整できた結果と言えるのかもしれません。
『自己安定化』と言えるほどではないものの、やはり身体は学習するもの、ということを実感します。

ヴィンヤサヨガでは、陰陽(屈曲と伸展、内旋と外旋など)の組み合わせによって、身体の学習能力が上がりやすく関節の可動域が広がりやすいとも言われていて、可動域を上げる目的でヴィンヤサヨガに取り組む人も多いそう。

テンセグリティー・ヨガ®に興味がある方はもちろん、これからヴィンヤサヨガに取り組んでいきたい方や既にご自身で練習されている方の見直しにぴったりのワークショップです。

 

 

 

ABOUT ME
ヴィオラレポーター Chisa
ヴィオラレポーター Chisa
ヨガインストラクター歴3年。 お花と猫とアロマが好き。講座の雰囲気や情景が浮かぶ文章を書くことを心がけています。