リストラティブヨガって聞いたことありますか?
リストラティブヨガとは、プロップスと呼ばれる補助用具を使ってポーズを行うヨガのこと。心と体をリラックスさせることが目的で究極のリラックスが得られるヨガとも言われているんです。
そこで今回は、人気インストラクターであるchama先生がリストラティブヨガについてご紹介いたします!
リストラティブヨガ講座 担当:chama先生 プロフィール
アシュタンガヨガの実践・指導を重ね、機能解剖学を学びクラニオセイクラルなどのボディワークへの知識を生かしたアジャストメント指導(身体に触れての指導)に定評がある。
近年自身の経験から「自立したヨガ指導者」を育てるための少人数制ヨガ指導者養成講座を開催し、後輩の育成にも力を入れている。
介護の経験や、高齢者への指導の経験をもち、リストラティブヨガの第一人者Judith Hanson Lasaterの下で定期的に学び、リストラティブ(癒やしと回復)の要素をヨガクラスに取り入れ心身の回復を目指す人やシニアの指導にあたる。
Nancy Gilgoff 「Adjustment Clinic」、David Swenson 「Ashtanga Yoga Teacher Training Primary Series/Intermediate Series」、Cyndi Lee「NY.OMヨガティーチャートレーニング」Judith Hanson Lasater リストラティブティーチャートレーニング「Relax & Renew」などに参加。
定期的に東京で指導しながら日本各地のワークショップ、国内外のヨガイベントにて指導。
TOKYO YOGA主催
リストラティブヨガをする前にブランケットの折り方をマスターしよう!
おうちで気軽にリストラティブヨガを行うために、最初にブランケットの折り方をマスターしましょう。毛布やタオルケットでも代用できますよ。
フリースなどの柔らかい素材のものでも良いですが、できればメキシカンブランケットのようにアクリルなどの硬い素材で、しっかりと身体を安定させてくれる物がベターです。
1:ブランケットの長い方の辺を、2つに折ります。
2:あと2回、長い辺を2つに折って、8分の1サイズにします。
これが基本形の「スタンダード折り」です。
このスタンダード折りから、短い方の辺を2つ折りにしたものが「シングル折り」。
波状に2回折ったものが「ダブル折り」。丸めてロール状にしたものが「ロングロール」。
用途や目的に応じて、上手に使い分けましょう!
横になる・体を起こす時の注意点
私たちには防衛本能があるため、横になった姿勢から体を起こす際に、頭から体を起こし周りに敵がいないかを視覚を使って確認する、といった本能的に行なっている『動きの癖』があります。しかし、現代においては、そのような危機的な環境で横になられるケースは非常に稀ですよね。
頭から体を起こすことによって首にかかる負担はとても大きいものです。また、首には沢山の大切な神経が走っています。
そこで、リストラティブヨガをする時には、体を起こす際に「頭を最後に上げる」ようにしましょう。また、横になっていく時も後頭部を手で支えながら、なるべく首に負担をかけないようにして横になる事をお勧めします。
おうちで簡単リラックス!リストラティブヨガのポーズ一覧
では、実際にchama先生がリストラティブヨガのポーズをご紹介します!
◆シンプルバックベンド
日常生活では、家事をするにせよパソコン作業をするにせよ、体を丸めた姿勢になりやすいもの。
そんな日常での姿勢とのバランスをとるために、まずは体を無理なく気持ちよく反らしてみましょう。
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シングル折りのブランケットの上に、ブランケットの上端がワキにくるようにして、仰向けに乗ってみましょう。
お膝を立てることで、背骨の自然なカーブをキープすることをお勧めします。
もし、もっと体を反らした方が心地よいと感じた時は、ダブル折りやロングロールを試してみるのも良いでしょう。
シングル折りでも、反りが強すぎると感じた時には、スタンダード折りのブランケットに、上端が肩のラインに来るようにして乗ると良いでしょう。
最初は1〜3分程度から始めて、慣れてきたら、次第にホールド時間を長くしていきます。
このポーズの後に、前屈系のポーズや、身体を丸める姿勢を取る時には、お膝を立てた状態で、両膝を左右へ倒し、
ツイストをしておくと良いですね。
ポーズを取る際に、腰に強い痛みを感じたり、背骨に問題がある際には、このポーズを行わないでください。
また、月経中の方や妊娠3ヶ月以上の方には「スプタバッダコーナーサナ」などの、さらに緩やかなポーズをお勧めします。
◆サポーテッド・レッグクロス
落ち着く効果がある、前屈のポーズです。
また、内臓に適度な刺激を与え、下腹部、腎臓、肝臓をクールダウンしてリラックスを深めてくれます。
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床に座って行う際には、あぐらをかき、椅子の座面に両腕を乗せ、その上に額をのせます。
顔を下向きにした姿勢が、心地よくない時には、横を向いてもOKです。
背骨をゆったりと丸めるポーズなので、おヘソの前あたりに丸めたブランケットをしっかりと入れて、腰椎を守り、下腹部の緊張を取りやすくするのも良いでしょう。
お尻の下にブランケットなどを敷いた方が落ち着く方は、そうしていただいてもOKです。
さらに安心感を得るためには、右脚から脚を組んでいたら、次に左脚から組むといったように、脚と腕の組み方を、途中で入れ替えます。
顔を横向きにされている方は、その時に反対側に顔を向けると良いでしょう。
片側1分程度からはじめて、次第に3-5分程度を目安に時間を伸ばしていきます。
また、椅子に座った姿勢で、テーブルの上に両腕を乗せて、同様に行うことでも効果を得られますから、そこから始めるのも良いでしょう。
背骨や仙腸関節に問題がある方には、このポーズはお勧めできません。
◆簡単ヴィパリータカラニ
ふくらはぎを椅子の上に乗せ(ソファなどに乗せてもOKです)、腰の下を少し高くすることでゆったりとした後屈
のポーズに、また緩やかな逆転のポーズにもなっています。
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腰の下に置く、ブランケットなど(硬めのクッションや枕でもOKです)には、尾てい骨を乗せないよう注意しましょう。
逆転のポーズには、疲労回復の効果がありますので、脚や心身の疲労を感じた時に、日常的に、3-5分程度おこなうとよいでしょう。椅子やブランケットなどがない時には、壁に脚をのせるだけでも、とても効果があります。
また、血圧を下げる効果があると考えられていますので、高血圧気味の方には特にお勧めです。
月経中の方、妊娠3ヶ月以上の方、心臓・首・網膜・眼圧に異常がある方にはお勧めいたしません。
◆サポーテッド・レッグオープン
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・ヨガボルスター(無ければ毛布やブランケットなどを畳み同様の形状にします)などを、開脚した脚の間に置きます。
・おへその前を、毛布などでしっかり埋め、腰部を含めた背骨全体が、無理なく丸くなるようにします。
・腹部にブランケットなどをしっかりと詰めて隙間を作らない(腹部をブランケットなどにしっかり預けられる)ようにします。
・正座の方が心地よい方は、正座で行うのもよいでしょう。足の痺れが気になったり、膝に不安がある方は、お尻の下にヨガブロックや座布団などを敷き、膝が負荷が掛かりすぎないようにします。
・体の前面をプロップスに預けます。深い前屈を行う必要はありません。体が硬くてプロップスの上で楽に休めないようでしたら、支えとなるプロップスの上に畳んだバスタオルなどを乗せ、高さを上げます。
・合わせた手の平の上に、おでこを乗せ、3〜5分間ほど姿勢を維持します。あごを少し胸に近づけ、首の後ろにスペースを感じます。顔を横に向ける方は、ホールド時間の半分位で反対側を向き、首のバランスを整えましょう。慣れてきたら、5-10分間ほど行います。
・ポーズを終えて体を起こしたら、両手を後ろについて軽く体を反らせた姿勢をしばらく保ち、背中を楽にします。
効果
一般に前屈のポーズは、胃・腸・肝臓などの、消化と排泄に関係する臓器を静めます。女性はこのポーズを、月経中と妊娠中に特に心地よく感じます。妊娠している場合は、椅子の座面や背もたれなどに、腕および頭を委ねて同様の姿勢となり、腹部を圧迫しないようにします。また、このポーズは後屈ポーズによる、脊柱及び腎臓への圧迫に対するバランスも取り、腰部にスペースを与える効果もあります。精神的動揺を静め、頭痛や不眠症を解消する効果もあります。
注意
・首、腰、膝が楽になるようにします。プロップス(体をサポートする補助具)の高さや位置を変えても、いずれかの場所に違和感がある時は行わないでください。
・ももの内側やなつっぱり感を感じるたり、膝の内側に違和感を感じるようなら、両脚を少し閉じるようにしましう。
・仙腸関節に痛みを感じるときは、少し体をねじることで解消することもあります。解消しない場合は、このポーズを行わないでください。
◆足を上げたリラクゼーションポーズ
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・ヨガボルスター(無ければ毛布やブランケットなどを畳み同様の形状にします)の上に、ふくらはぎを乗せ、仰向けになります。
・ふくらはぎ全体が、支えとなるプロップスに、楽に預けられるような、高さ、位置にします。
・脚が不安定だと感じる方は、ヨガベルトなどで、脚とプロップスを緩めに縛ってもよいでしょう。
・腰の沈め、緊張を全て床に吸収させます。腰の筋肉が楽になるのを感じ、腰に「もっと自由になっても、いいんだよ」とメッセージを送ります。
・呼吸するたびに、腹部がスムーズに上下することに意識を向けます。ポーズ時間は、3-5分間ほどから始め、慣れてきたら10-20分間程度保ちます。
・ポーズを終える前に、いつもより少し長めに、5〜10回ほど呼吸をするのもよいでしょう。ポーズから出る時には、いつも通りの自然な呼吸にもどしておきます。
効果
座っている時間が長い方や、腹筋の弱い方は、特に腰を痛めやすいものです。このポーズは、腰部の緊張ばかりでなく、腹部の緊張も和らげてくれます。また両脚を上げることで、長い時間立ったり、座っている方々の疲れを軽減します。
注意
・妊娠3ヶ月以上の方は “横向きのリラクゼーション・ポーズ” を行なってください。
◆横向きのリラクゼーションポーズ
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・ブランケットやクッションなどを用意し、横向きに寝た時の、頭と片脚の高さをサポートします。
・首の骨も含めた、背骨全体が床と並行になるように、頭の高さを保ちましょう。
・上側の脚の膝を曲げ、ふくらはぎの内側をプロップスに預けます。
・床側の脚は、膝を伸ばした方が腰が痛くなりづらいでしょう。
・床側の腕は、姿勢の安定性を高めるため、前に伸ばし、手のひらを天井に向けます。
・つばを飲み込んで、あご・頬・舌をリラックスさせ、床とプロップスの上でしっかりとお休みします。
・基準となるポーズの時間は5-40分程度ですが、なるべく “自分が起きたいと思ったとき” に、ゆっくりと時間をかけて起き上がるようにします。その時は、20分ほどポーズを取った後に訪れることが多いでしょう。
効果
疲労と不眠症を和らげます。どんな方にでも行えるポーズですが、特に妊娠3ヶ月を過ぎた方にお勧めです。妊婦の方は、定期的な実践により分娩時に役立つリラクゼーションのスキルが身につきます。
注意
・妊娠中の方は、左側を下にしましょう。それ以外の方は、両サイドをバランス良く行っていただいてもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
究極のリラックスを得ることができると言われる「リストラティブヨガ」は、ストレスが問題となっている現代社会にフィットするヨガと言えるでしょう。
ぜひ、心身を整える一貫としてチャレンジしてみてください!
しかし、ポーズごとに注意点もあるので、怪我をしないように行ってください。
くれぐれも無理は禁物です。
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