心身のバランスを整える効果が高いといわれる陰ヨガ。
名前を聞いたことがあるけれど挑戦したことがないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、陰ヨガの基本から根底にある考え方、他のヨガとの違いについて詳しく解説していきます。
陰ヨガの知識を深め、実際に挑戦してみてくださいね!
Contents
陰ヨガとは?
陰ヨガとは、一つのポーズを長く保ちながら身体の深部を刺激していく、ゆったりとしたタイプのヨガです。
また、身体の深部にある結合組織や骨に意識を向けていくため、ポーズを長くキープする特徴があります。
運動量が少なくポーズがシンプルで、リラックス効果も高いため、初心者やシニアの方も取り組みやすい点がポイント。
おもに股関節や脊柱、肩などの関節に働きかけていくため、体の柔軟性を出したい方にもおすすめできます。
陰ヨガの歴史
陰ヨガは1980年代にカリフォルニアから広まった比較的新しいヨガです。
武術に精通していたポーリー・ジンク氏によって始められた陰ヨガは、中国の三代宗教のひとつである「道教」がベースとなっている「タオイストヨガ」がもとになっているとも言われています。
現代的なヨガではありますが、ルーツは3000年以上前から中国でおこなわれている伝統的なものなのです。
陰ヨガの基本
陰ヨガでは、1つのポーズを3〜5分間ホールドします。
ポーズごとに深い瞑想をする時間をとり、ポーズとポーズの間には直前にとったポーズの効果や体の刺激に対する反応などを味わえるのがポイントです。
また、体内の気の通り道である経路を刺激するのも陰ヨガの特徴。
経路には血液やプラーナ(気)が通っているとされ、経路を刺激することで血行促進につながるとともに、全身の気の流れも整えられます。
陰ヨガでは、経路の中でも特に重要とされる5つの経路にアプローチし、内臓の働きを活性化していくのが重要となります。
陰陽理論
陰ヨガでは、陰陽理論に基づく陰と陽のバランスを重視しています。
陰陽理論で採用されているのは、この世界の全てのものは陰と陽のバランスをとって成り立っているという考え方。
例えば、陽とされているものには太陽、男性、表面の皮膚や筋肉などがあり、一方で、陰とされているものには月、女性、奥にある結合組織や骨などがあります。
つまり、それら対局となるもののバランスをとることが重要という考え方なのです。
陰陽理論で言うと、私たちの現代社会は陽の要素が多くなっています。
そこで、陰ヨガを通して陰の要素を取り入れることで陰陽を調和させ、心身のバランスを整えることが陰ヨガの目的となります。
また、陰陽五行説という、全てのものは5つの要素に分類され、互いに影響を与え合うことでバランスを保っているという考え方も持っています。
ちなみに、陰陽五行説では、季節は五季、内臓器官も五臓とされています。
肝、心、脾、肺、腎の五臓がそれぞれ活発となる季節があるため、陰ヨガでは、陰陽五行説をもとにそれらのエネルギーの調節をおこなっていくのも特徴です。
※五臓 = 肝臓(胆嚢) 心臓(小腸) 脾臓(胃) 肺(大腸) 腎臓(膀胱)
陰ヨガと陽のヨガの違い
ヨガは、陰と陽という、2種類に分けることができます。
ちなみに、筋肉をしっかりと使い、運動量が多いヨガが「陽のヨガ」です。
アシュタンガヨガやハタヨガ、ヴィンヤサヨガなどが陽のヨガにあてはまります。
一方で陰ヨガは、じっくりと落ち着いた動きをするのが特徴。
ゆったりとした時間の中で、自身の状態を受け入れ、呼吸や動きに身を委ねていきます。
陰ヨガと陽のヨガでは得られる効果が変わってくるため、ご自身の体や心の状態に合わせて使い分けるのがおすすめです。
陰ヨガの効果と注意点
それでは、ここから陰ヨガで得られる効果や、陰ヨガをおこなう上での注意点を解説していきます。
陰ヨガの効果
陰ヨガでは長い時間ポーズをキープすることが多く、自律神経が整うこと、集中力が高まること、そして深いリラックス効果が期待できると言われています。
また、関節への働きかけを行うことで、体の柔軟性がアップしたり、血行促進やリンパの流れがよくなったりといった身体的な効果も見込めるでしょう。
さらに、体内の5つの主要な経路が刺激されることで内臓器官の働きが高まるのも特徴です。
陰ヨガの注意点
陰ヨガでは、一つのポーズを長時間キープするため、体に痛みがあったり違和感を感じたりという状態でポーズに入ってしまうと怪我につながる可能性があります。
自分の心地よい状態を探りながらゆっくりとおこない、無理をせずにポーズをとるようにしましょう。
心地よい状態でポーズをキープするためにクッションやプロップスなどを使うのもおすすめです。
陰ヨガの基本的なポーズ
ここでは、陰ヨガでおこなわれることの多いポーズを紹介していきます。
バタフライポーズ
バタフライポーズはあぐらの姿勢で膝を横に開くポーズです。
骨盤の歪みを調整したり、股関節と足首の柔軟性をアップしたりといった効果が期待できるでしょう。
股関節周りが硬くて痛みを感じる方は、膝の下にブロックをおくことでリラックスしやすくなります。
- 両足を前に伸ばした状態から片足ずつ曲げていき、足の裏をあわせます
- 足の先をつかみながら、かかとは恥骨に近づけるイメージで引き寄せます
- 左右の坐骨がマットに安定して根付いているかを確認しましょう
- 息を吸いながら背筋を伸ばし、息を吐きながら上半身を前に倒します
- 首はリラックスさせ、背中が曲がらないよう注意しながら尾骨と頭頂を引き離す感覚で背中を伸ばします
- 深い呼吸を数回入れていきます
チャイルドポーズ
チャイルドポーズは正座の姿勢から頭を床につけるリラックスしたポーズ。
疲労回復効果が大きく期待できます。
さまざまなヨガのクラスでも、ポーズとポーズの間に体を休めるポーズとして出てくることが多いポーズです。
- 正座の姿勢になります
- ゆっくりと状態を前に倒し、頭を床に預けます
- 腕は脱力し、前に伸ばすか体側に置いておきます
- 数回深い呼吸を入れていきます
シューレース
シューレースはお尻や腰回りをストレッチすることで股関節柔軟性のアップ効果が期待できるポーズ。
内臓をしっかりねじることでデトックス効果も期待できるでしょう。
- 足を前に伸ばして骨盤を立てた状態で座ります
- 右の膝を曲げ左足の外側におきます
- 左膝も曲げ、左右のかかとをお尻に近づけます
- 両方の膝が重なった部分が胸の正面にきていることを確認しましょう。
両手は体側にそっと添えます - 息を吸いながら背筋を伸ばし、吐きながら体を前に倒します
- 3〜5分キープしたら反対側も同様におこないます
まとめ
長い時間ポーズをキープするのが特徴的な陰ヨガ。
陰陽のバランスを整えることを目的とし、深いリラックス効果が期待できる現代に合ったヨガと言えるでしょう。
柔軟性や内臓の機能が高まるという、身体的に嬉しい効果が多いのも魅力です。
初心者の方も気軽に取り組めるヨガですので、ぜひ取り組まれてみてはいかがでしょうか?
また、ヨガのことをもっと知りたいという方は、養成スクールに通うのもおすすめ。
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https://yoga-viola.net/yogacourse/yinyoga/
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