第21回「大祓」

第21回「大祓」
*English follows Japanese*

みなさまごきげんいかがですか?
ピラティス指導者のGingerです。

今年最後のコラムです。
さて、今月は太陽暦では12月。大祓えの月ですね。
家の隅々まで掃き清めて戸口に依り代となる注連縄や門松を飾り歳神様、新年を迎えます。
私たちの心身の方も住空間と同様、真新しい状態で新年を迎えるためにその年の諸々禍事罪穢れを祓います。
疲労物質や老廃物を溜め込んだままの身体や、モヤモヤした想いをすっきりとさせる一番簡単な方法として、私のお勧めは呼吸です。ただただ無心に独り座りもしくは寝転び、自分の吐く息と吸う息とに心を預けて繰り返していくと、身体という容れ物が無くなってしまうような感覚があります。空間感覚が広がり、時間もなくなるような… 眠りに落ちる直前に身体が宙に浮いているような感覚に似ているかも知れません。
自分自身に戻れる時間は、心地良いものです。 image10
呼吸法をすると、自分の呼吸の長さやのびやかさによって心の静まり加減がわかります。毎日少しの時間でも行うとその時々の心身のコンディションがわかるので、私は歩行中や家事を行なっている時に呼吸法を実践するようにしています。睡眠不足の時や、悩みのある時などは呼吸は明確に浅く短くなり、自分でも笑ってしまうくらいうまく吐けませんし吸えません。

私は数年前に高野山にて阿字観瞑想を体験したことがあります。指導をして下さったお坊さんが、瞑想の前に肩周りや首回りのストレッチをして、身体の強張りを取り除いてから行うことを教えて下さいました。
阿字観瞑想は、梵字の「阿」を用いて行う瞑想法です。「阿」は宇宙を含むすべての始まり、万物の本源、不生不滅の原理を意味します。そのため大日如来の象徴でもあります。
一定の時間行う瞑想は、身体の状態が辛いと続かないものです。座禅において「調身・調息・調心」と言われるように、先ず心地よく呼吸を続けられる姿勢があり、それによって呼吸が整い、そして心が整います。

ピラティスは、ヨガのようにホールド(型の保持)がほとんどありません。絶え間なく流れるように身体を動かし続ける中でも呼吸を乱さず心を静めるという、動の中の静のお稽古だと私は思っていますし、その部分を勿論日々のレッスンでお伝えしております。今までに体験したことのない動きに戸惑い、頭で考えてしまうと呼吸は浅くなったり止まったりします。呼吸をし続けることを意識するだけでもそのレッスンの効果を得ることができますから、ピラティスを始めたばかりでまだ難しいと感じておられる方は、呼吸を日常生活でも意識的に行なってみて下さいね。 image1
冒頭で注連縄のことに触れました。注連縄はお米の稲で作ります。日本は稲作の可能な土地に恵まれ、先人達は米一粒、わらしべ一本を大切にしてきました。『米』という字は四方八方に広がるのびやかないのちを感じさせてくれます。

このコラムやInstagramの投稿などからの印象で誤解されがちかも知れませんが、私自身は特に信心深いという訳でも、所謂スピリチュアリズムに傾倒した人間ではありません。しかしながら四季の移ろいに自然の恩恵を感じ、同時に畏怖の念を抱きます。日々なにか偉大なものに生かさせれていることを感じずにはいられません。朝焼けや黄昏の空をただ美しいと愛でる時、それは無意識の祈りなのではないでしょうか。
この世に変わらぬものはありません。固い岩でさえ、一滴の雨水や風に削られて、一刻とて同じ形でいることはありません。
みなさまの一呼吸一呼吸が、未来への糧となりますよう。
ではまた来年。良き年越しを。




Hello, it's Ginger.

This one will be the last column of this year. The final month of the year is the cleansing month. (Ōharae, we say it in Japanese.) We clean up our houses spick and span and decorate the entrance with Shimenawa and Kadomatsu, which are both Yorishiro; an object spirit or deity is down, to welcome Toshigami, a deity of the year.
Likewise, we take care of our bodies and souls. To welcome the new year with the fresh bodies and souls, we purify or exorcise all the evils, sins, and vice of our bodies and souls just like we clean our dwelling spaces.
To get rid of bodily fatigue stuff and cast off clouds over your mind, I recommend breathing the best. Just sit down or lie down quietly with yourself having no-mindedness, give yourself completely to the repeat of breathing out and in, then you feel like your body as a container vanishes into space and yourself is extended and even time axis disappears… it might be like the floating feeling before you fall asleep.
I feel pleasant when I come back to myself. image4 When I do breathing, I can see how deep my mind is calmed by the length of breathing or if my breathing is free enough or not. Even for a short while I do breathing as I am walking or doing houseworks because I can check up my body and mind condition of the day. When I'm lacking sleep or my mind is occupied with worries, my breathing obviously become so uncomfortably short and shallow that almost makes me laugh.

Many years ago I've experienced Ajikan in Kouyasan. The monk who coached us suggested to release tension of the body by stretching around our neck and shoulder areas before Ajikan.
Ajikan is a type of meditation using the calligraphy “A” written in Siddhaṃ script. “A” represents the beginning of everything including our universe, the origin of all things, the principle of neither arising nor ceasing, so “A” also is the symbol of Vairocana.
Mediation requires a certain amount of time, so it is hard to carry on doing the meditation if our bodies are not in good conditions. In Zen meditation, it is said “調身・調息・調心* ( Chou Shin, Chou soku, Chou shin) ”, good posture or the body condition makes you possible to continue breathing comfortably, so your breathing is well balanced, and thus you balance or condition your mind. image3 Unlike Yoga, Pilates almost doesn't hold movements at all.
I personally think that Pilates is the training method to deepening calmness of your mind without holding your breath as you keep moving our body in a smooth flow. Of course I've been trying to tell how important that is in my Pilates lessons. When you are perplexed by the movements you've never done in your life before, you tend to use your head and that makes your breathing shallow or being held without intention. Just making sure you keep breathing enough to be able to get the good effect of Pilates, so if you are the Pilates beginner and think Pilates is difficult, please try breathing intentionally in your daily lives.

I mentioned about Shimenawa at the beginning of this column. It is made with ears of rice plant. Japan is blessed enough to be able to harvest rice, so our ancestors have never neglected on a grain of rice or a one central stalk of dried rice plant. The Chinese character of rice “米” has an impression of energy of life growing freely in every direction.
image8 From the impression of my columns and my Instagram posts, some people tend to think I am very religious or I am very much into so-called spiritualism, but I am not. However, I feel blessings from flowing four seasons and at the same time, I am in awe by those nature. Every single day, I can't help myself feeling I am being alive by something big. I wonder if our pure joy when we admit the beauty of the morning glow in the sky and it's twilight might be called as unintentional prayers?
Nothing in this universe lasts forever. Even a hard rock won't stay in the same shape under one drop of rain or a blow of wind. I wish each of your breath will be the energy of your future.
Farewell till next year. I wish you all spend the good year end and have a good New Year's Day.

* 調 /chou/ [verb] condition, balance 身 /shin/ or /mi/ [noun] body 息 /soku/ or /iki/ [noun] breathing 心 /shin/ or /kokoro/ [noun] mind, heart



ワークショップ シリーズ
『たかめていく氣と血のめぐり ~ピラティスとアーユルヴェーダができること~』
全4回 + 特別講座

Ginger-t-ws
女性は毎月の月経を通じて自らの血と氣のめぐりの状態を知ることができます。
さらに妊娠、出産により血のコンディションは変わるため養生の方法も変わります。
貴女は今、自分のライフステージに合った心と身体の養生ができていると言えますか?
全四回のワークショップを通じて、ピラティスとアーユルヴェーダの智慧を生活に取り入れ、日々をより健やかに過ごせる術を学びましょう。

昨年秋に初開催となったこのワークショップシリーズは第2サイクル目となります。
テーマは同じですが今回はアーユルヴェーダの智慧、哲学によりフォーカスを絞った講義となります。
アーユルヴェーダ式四季の過ごし方とピラティスムーヴメントを1年間を通して学ぶことで、自らの血と氣のめぐりを良くすることや季節ごとに身体や心の調和を取る方法を、自らの生活への意識を変えることで継続してきましょう。

また、Ayami先生とのコラボレーションによる特別講座では実際に食養生を学びます。アーユルヴェーダ式のお料理方法を日本の食卓に上手に取り入れて、日々美味しく楽しく心身を整えましょう。

シリーズでお届け致しますので連続受講をお勧めいたします。ただし、単発受講ではついていけない部分があることはご理解いただいた上、お好きな受講スタイルでご参加下さいね。
もちろんこのようなワークショップに参加することが恥ずかしいと感じる方や、「もう関係ない」と思い込んでおられる女性にも多くおられると思いますが、是非多くの女性、また男性に知っていただきたい内容をお届けいたします。そのため娘さんをお持ちのシングルファザーや、ご家族のために知識として学びたい男性も受講を歓迎しております。母娘、父娘、ご夫婦での受講、再受講も大歓迎です。

第一回 秋編<終了しました>
日  程2018年9月9日(日)
時  間14:30〜17:30
本町スタジオ
テーマ:血
血のめぐりと質を高めるアーユルヴェーダとピラティス
→詳しくはこちら
特別講座 冬編<終了しました>
日  程2018年11月4日(日)
時  間10:30〜13:30 / 15:30〜18:30
大阪 刻屋
特別講座 冬編 テーマ:生命力
女性力を高めるアーユルヴェーダ式食養生とピラティス
AyamiとGinger
→詳しくはこちら
第二回 春編日  程2018年12月23日(日)
時  間14:30〜17:30
本町スタジオ
テーマ:膣粘膜
粘膜を強化して女性力を高めていくアーユルヴェーダとピラティス
→詳しくはこちら
特別講座 春分編日  程2019年2月17日(日)
時  間14:30〜17:30
大阪スタジオ
特別講座 春分編 テーマ:睡眠
睡眠の力を知る アーユルヴェーダとピラティス
→詳しくはこちら
特別講座 梅雨編日  程2019年4月29日(月・祝)
時  間10:30〜13:30 / 15:30〜18:30
大阪 刻屋
特別講座 梅雨編 テーマ:冷え
女性力を高めるアーユルヴェーダ式食養生とピラティス
AyamiとGinger
→詳しくはこちら
第三回 梅雨編日  程2019年5月12日(日)
時  間14:30〜17:30
本町スタジオ
テーマ:女性ホルモン
ホルモンを安定させる冷え取りアーユルヴェーダとピラティス
→詳しくはこちら
第四回 夏編日  程2018年6月9日(日)
時  間14:30〜17:30
本町スタジオ
テーマ:膣ケア
女性器のケアと向き合う アーユルヴェーダとピラティス
→詳しくはこちら



profile
PROFILE : Ginger(じんじゃ~)

  • フリーランス アーティスト
  • FTPマットピラティス 指導者
  • からだスキャン セルフマッサージ 指導者
  • Physical Mind Institute 認定 Tye4® Mat/Standing 指導者
  • Body Code System認定 Master Stretch® 指導者
  • アーユルヴェーダ セルフケアアドヴァイザー
  • 漢方・薬膳検定 保有
  • 英国にて衣装デザインと制作を学び、デザイナーとして様々な身体表現者たちと関わる。また6年近くに及ぶ異国生活で心身の不一致を感じ、そのコントロールへの興味を深める。
    帰国後、ピラティスに出会い指導者としてのトレーニングを受ける。
    アーユルヴェーダや東洋医学、薬膳の考え方を取り入れ、グループ・個人レッスン共に男女問わず幅広い年齢層を指導。 
    個々人自らが『感じる力』を磨くことを何よりも重要視している。
    英語でのレッスンや海外講師の通訳、人体経絡図の挿絵など、ピラティスと英語・アートをリンクさせた活動も積極的に展開している。
    近年はピラティスという分野を超えて、自然の中で呼吸や五感のワークを行うことも始めている。
    Instagram: @ginger_jinjya
    HP: http://junkoginger.blogspot.jp