第17回「願望」
みなさまごきげんいかがですか?
ピラティス指導者のGingerです。
夏土用が終わり、立秋が過ぎました。
太陽の輝きは相変わらずですが、空に少しずつ秋を感じます。
前回のコラムではピラティスにおけるマインドフルネスについて書きました。
ピラティスは身体を整えることのみを目的にはしていないということを少しでも知っていただけたのなら嬉しいです。
さて、みなさまもそうだとは思うのですが、ピラティスを始めるきっかけやスタジオに通う理由は十人十色です。
心次第で身体は何歳からでも変わると私は思います。心の使い方の変化が身体に現れます。例えば表情が明るくなり、言葉がポジティブになるなどです。人によっては姿勢が良くなったり、筋肉の張りが取れたり、リンパや血の流れが良くなることで肌艶が良くなったり、妊娠をしたり、また新しい世界を体験することで仕事が変わったりします。私はピラティスを指導する前はイギリスで衣装デザインと制作の世界にいました。今は心と身体をデザインする世界にいます。 今回のコラムは、恥ずかしながら少し私の身体のことを書きたいと思います。これからピラティスを始める方や、今ピラティスをされている方にとって何かヒントになればと思います。
私は2012年の4月に人生で初めて週1回のマットピラティスのグループレッスンに通い始めました。33歳になる年でした。
私はピラティスに出会う前は酷い不良姿勢でした。このことは、レッスンでも度々お伝えしていますし、私のInstagram、またこのコラムでも何度も書いてきましたので、ご存知の方も多いでしょう。私は自分の身体を全く思うように動かせませんでしたし、身体がかたくて、酷いO脚でした。今よりも身長が3cm近く低かったのですが、まさか成人してから背が伸びるなんて想像すらしていませんでした。私は今年で39歳になりますが、模索と変容の6年間だったなぁとしみじみ思います。6年前の私よりも、今の私の方が断然幸せそうで若々しいのだから面白いものです。
私はピラティス以前は中高6年間のバスケットボール部以外の運動は体育やマラソン大会くらいしかしたことがありませんでした。この頃の写真を見ると、猫背と反り腰、酷いO脚、首は前へ出るフォワードネック。姿勢で言うとスウェイバックと言う非常に整えるのが大変な状態でした。しかも左右差と捻れありのガチガチの身体。私はO脚という言葉も知らず、ただ綺麗な形の脚ではないなぁと思っていました。
筋肉とは鍛えるものだと指導されましたし、もちろんその当時の日本にピラティスはありません。体幹やコアといった観点や筋膜リリースの概念が注目されるようになったのはつい最近のことです。 高校卒業と共に運動習慣が無くなると思春期の女の子らしく私の体重は増えました。とは言えさほど気にしていなかった自分の身体をふと写真で見た時に綺麗とは思えず、ダイエットをしました。20歳〜21歳くらいの頃だと思います。学生でしたから、夜9時以降は食べないダイエットを試してみました。雑誌に書いてあった簡単なストレッチとトレーニング、お風呂での脚のマッサージ。どんなに遠いところでも2駅分圏内ならばとにかく徒歩。体重は落ちましたが、今度は痩せが止まらなくなってしまい、その頃は痩せ過ぎで余計にO脚も不良姿勢も目立ち、脾経の弱りでか身体は平べったいのに顔がむくんで今よりもまん丸でした。女性ホルモンの分泌も当然悪くなり、月経が無くなりました。今、私は女性の身体をテーマに年間のワークショップを行なっていますが、当時の私は女性の身体のことは何にも知らなくて、栄養の知識も無くて、骨盤底筋群(当時は存在すら知らない)は当然使えていないどころか子宮も内臓も冷えていたと確信できる様々な症状がありました。自分の身体がどうしてこんなことになったんだろうと、悩みました。きっかけは健康的になりたかっただけだったのが、いつの間にか軌道が変わり、修正不可能になっていたのです。その頃の心が健やかではなかったのも言わずもがなです。夢はあれど自信を持つ足掛かりもつかめず、ただ単に痩せた身体は醜く思え、月経を戻すためには体重を増やさなくてはいけないのにリバウンドを恐がる心は勇気を持てず、そんな自分を全く好きになれず、ただ『wannabe』な自分という存在が辛かったです。心の弱さや不安定さが、私の身体に現れていたんですね。
その後2年くらいを掛けて月経が正常に戻り、私の身体はまたふっくらとしましたが、今度は就職後の激務と人間関係のストレスで痩せました。いずれにせよ理想的ではありません。 その後イギリス留学をし、向こうで働きました。イギリスに住んでいた頃は日常的に自覚のない肩凝りや首のつまりがありました。不良姿勢に加えてこの頃はお肌も365日荒れていました。イギリスの大学を卒業し、フリーランスビザで仕事を継続していましたが、ビザ事情の大変革から帰国せざるを得ないことが決定してからは、不安な日々が続きました。その頃急に耳の奥が痛くなり、外耳に触れるだけで声も出せずにしばらくうずくまるほどの激痛が走りました。右の下瞼に何ヶ月も腫れが出て、帰国してから眼科へ行きました。腎臓のあたりもいつもいつも痛くて、不眠症のようになっていました。思い出すだけでとても悲壮な状態でした。
帰国してそれらの症状はとりあえず治ったのですが、瞼の腫れがひくには長くかかりました。衣装の仕事は東京で少しやらせていただいたのですが、ヨーロッパとは全く体制の違う日本の芸能界で散々な思いをし、すっかり落胆して、私のやりたいアートを日本では今すぐにはできないと悟った後、どうしようもなくボロボロだった心身をなんとかしようと、模索の日々の中でふとピラティスを思い出したのです。とにかくこんな心身の状態では誰かに感動を与えられるようなものは創れない。まずは自分の心身をきちんとコントロールしてデザインし直そう。そう思ったのです。 どうせ学ぶならとピラティスインストラクター養成コースに入ることにしました。その当時はピラティスを教えることを仕事にできるとは到底思えず、ただライフワークにはしたいと思っていました。アルバイトを2、3個掛け持ちしながら毎週ピラティスのレッスンと養成コースに通いましたが、とにかく一筋縄ではなかったです。そもそも先生の指示通りに身体が動かない。みんなが効いたと言っている部分に効かない…。始めた頃の約1年半〜2年くらいは代償動作だらけのピラティスをしていました。また人付き合いが苦手で、特に帰国したての頃の私は人の多い場に馴染めずにいました。
それでも身体は少しずつ変わり始め、周囲の応援もあって、諦めずにピラティスの学びを深めていくことができました。
私の身体と心がピラティスで少しづつニュートラルへ導かれていくのには時間が必要でしたが、確実に変わっていく心身の変化が嬉しい日々でした。ピラティスは、心と身体に同時に良い働きかけをしてくれていました。 ピラティスを仕事にしようと決めて、家族や地元の中高年の方々に集会所を借りて教え始めたのが2013年の6月でした。ピラティスも指導も超初心者が年配の超初心者に教えるのですから、それはもう大変でした。未熟な先生の学びに付き合って下さった当時のクライアント様たちには今でも感謝しています。その頃の私の仕事はほとんどがプライベートレッスンでした。たくさんの人の身体と深く関われたことは幸運なことでした。その後も様々な経験を通して先生の自覚を育てて行きました。レギュラーのグループレッスンを1本持たせていただけたことがきっかけで、少しずつスタジオ勤務のお仕事は増えて行きました。 指導を通して私の身体も心も変わり続けていますが、ピラティスと向き合う心の根元の部分はずっと同じです。
人それぞれ理由は違うと思いますが、自分の想いがぶれなければ、どのような学びも続けていくことができます。続けることでしか見えない世界を体験するには、とにかく始めることです。
健康とは身体と心の両輪で成すもの。自分でも今の仕事をさせていただいていることに驚きますが、すべてはご縁、役割。無知な時代も、必要な過程だったと今は思えます。
私が身体を整えようと決めて行動に移してからは、身体は無駄なものや執着を手放し始め、心が上向きになりました。あの時、私が学びたいことを教えてくれる人や場所に出会えたことをとても感謝しています。
イギリス時代の友達は今の私を見て『なんだか年々若返ってない?』と笑いますが、それはきっと身体がどうこうではなくて、心が変わったからなんでしょう。冒頭にも書きましたが、心の状態は身体に現れるのですから。
望みは高く、自分の力に限界を決めない。そしてその時に得られる結果を受け入れること。遅々とした成長でも、成長は成長です。肉体や心や感覚を自分のすべてだと思わないこと。あなたの魂は、かたちあるものにおさまるほど小さなものではないのです。このことについては、私のワークショップでアーユルヴェーダの医哲学としてお話ししています。
心次第で身体は何歳からでも変わる、と冒頭で書きました。
私の小さな物語が、何かのお役に立てれば幸いです。
私はピラティスやアーユルヴェーダに出会い、表現の媒体を『もの』から『肉体』に変えたわけですが、結局幼い頃からやりたいことは同じで、美しいものが好きです。
とは言え肉体も変わり行き、朽ち果てるもの。
永遠ではないし『もの』ですが、ただその存在もしくは現象の印象、『風姿』を美しくしていきたいと願います。
みなさんの晩夏が、健やかでありますように。
ではまた次回。
ワークショップ シリーズ
『たかめていく氣と血のめぐり ~ピラティスとアーユルヴェーダができること~』
全4回 + 特別講座
女性は毎月の月経を通じて自らの血と氣のめぐりの状態を知ることができます。
さらに妊娠、出産により血のコンディションは変わるため養生の方法も変わります。
貴女は今、自分のライフステージに合った心と身体の養生ができていると言えますか?
全四回のワークショップを通じて、ピラティスとアーユルヴェーダの智慧を生活に取り入れ、日々をより健やかに過ごせる術を学びましょう。
昨年秋に初開催となったこのワークショップシリーズは第2サイクル目となります。
テーマは同じですが今回はアーユルヴェーダの智慧、哲学によりフォーカスを絞った講義となります。
アーユルヴェーダ式四季の過ごし方とピラティスムーヴメントを1年間を通して学ぶことで、自らの血と氣のめぐりを良くすることや季節ごとに身体や心の調和を取る方法を、自らの生活への意識を変えることで継続してきましょう。
また、Ayami先生とのコラボレーションによる特別講座では実際に食養生を学びます。アーユルヴェーダ式のお料理方法を日本の食卓に上手に取り入れて、日々美味しく楽しく心身を整えましょう。
シリーズでお届け致しますので連続受講をお勧めいたします。ただし、単発受講ではついていけない部分があることはご理解いただいた上、お好きな受講スタイルでご参加下さいね。
もちろんこのようなワークショップに参加することが恥ずかしいと感じる方や、「もう関係ない」と思い込んでおられる女性にも多くおられると思いますが、是非多くの女性、また男性に知っていただきたい内容をお届けいたします。そのため娘さんをお持ちのシングルファザーや、ご家族のために知識として学びたい男性も受講を歓迎しております。母娘、父娘、ご夫婦での受講、再受講も大歓迎です。
PROFILE : Ginger(じんじゃ~)フリーランス アーティスト
FTPマットピラティス 指導者
からだスキャン セルフマッサージ 指導者
Physical Mind Institute 認定 Tye4® Mat/Standing 指導者
Body Code System認定 Master Stretch® 指導者
アーユルヴェーダ セルフケアアドヴァイザー
漢方・薬膳検定 保有
英国にて衣装デザインと制作を学び、デザイナーとして様々な身体表現者たちと関わる。また6年近くに及ぶ異国生活で心身の不一致を感じ、そのコントロールへの興味を深める。
帰国後、ピラティスに出会い指導者としてのトレーニングを受ける。
アーユルヴェーダや東洋医学、薬膳の考え方を取り入れ、グループ・個人レッスン共に男女問わず幅広い年齢層を指導。
個々人自らが『感じる力』を磨くことを何よりも重要視している。
英語でのレッスンや海外講師の通訳、人体経絡図の挿絵など、ピラティスと英語・アートをリンクさせた活動も積極的に展開している。
近年はピラティスという分野を超えて、自然の中で呼吸や五感のワークを行うことも始めている。
Instagram: @ginger_jinjya
HP: http://junkoginger.blogspot.jp
ピラティス指導者のGingerです。
夏土用が終わり、立秋が過ぎました。
太陽の輝きは相変わらずですが、空に少しずつ秋を感じます。
前回のコラムではピラティスにおけるマインドフルネスについて書きました。
ピラティスは身体を整えることのみを目的にはしていないということを少しでも知っていただけたのなら嬉しいです。
さて、みなさまもそうだとは思うのですが、ピラティスを始めるきっかけやスタジオに通う理由は十人十色です。
心次第で身体は何歳からでも変わると私は思います。心の使い方の変化が身体に現れます。例えば表情が明るくなり、言葉がポジティブになるなどです。人によっては姿勢が良くなったり、筋肉の張りが取れたり、リンパや血の流れが良くなることで肌艶が良くなったり、妊娠をしたり、また新しい世界を体験することで仕事が変わったりします。私はピラティスを指導する前はイギリスで衣装デザインと制作の世界にいました。今は心と身体をデザインする世界にいます。 今回のコラムは、恥ずかしながら少し私の身体のことを書きたいと思います。これからピラティスを始める方や、今ピラティスをされている方にとって何かヒントになればと思います。
私は2012年の4月に人生で初めて週1回のマットピラティスのグループレッスンに通い始めました。33歳になる年でした。
私はピラティスに出会う前は酷い不良姿勢でした。このことは、レッスンでも度々お伝えしていますし、私のInstagram、またこのコラムでも何度も書いてきましたので、ご存知の方も多いでしょう。私は自分の身体を全く思うように動かせませんでしたし、身体がかたくて、酷いO脚でした。今よりも身長が3cm近く低かったのですが、まさか成人してから背が伸びるなんて想像すらしていませんでした。私は今年で39歳になりますが、模索と変容の6年間だったなぁとしみじみ思います。6年前の私よりも、今の私の方が断然幸せそうで若々しいのだから面白いものです。
私はピラティス以前は中高6年間のバスケットボール部以外の運動は体育やマラソン大会くらいしかしたことがありませんでした。この頃の写真を見ると、猫背と反り腰、酷いO脚、首は前へ出るフォワードネック。姿勢で言うとスウェイバックと言う非常に整えるのが大変な状態でした。しかも左右差と捻れありのガチガチの身体。私はO脚という言葉も知らず、ただ綺麗な形の脚ではないなぁと思っていました。
筋肉とは鍛えるものだと指導されましたし、もちろんその当時の日本にピラティスはありません。体幹やコアといった観点や筋膜リリースの概念が注目されるようになったのはつい最近のことです。 高校卒業と共に運動習慣が無くなると思春期の女の子らしく私の体重は増えました。とは言えさほど気にしていなかった自分の身体をふと写真で見た時に綺麗とは思えず、ダイエットをしました。20歳〜21歳くらいの頃だと思います。学生でしたから、夜9時以降は食べないダイエットを試してみました。雑誌に書いてあった簡単なストレッチとトレーニング、お風呂での脚のマッサージ。どんなに遠いところでも2駅分圏内ならばとにかく徒歩。体重は落ちましたが、今度は痩せが止まらなくなってしまい、その頃は痩せ過ぎで余計にO脚も不良姿勢も目立ち、脾経の弱りでか身体は平べったいのに顔がむくんで今よりもまん丸でした。女性ホルモンの分泌も当然悪くなり、月経が無くなりました。今、私は女性の身体をテーマに年間のワークショップを行なっていますが、当時の私は女性の身体のことは何にも知らなくて、栄養の知識も無くて、骨盤底筋群(当時は存在すら知らない)は当然使えていないどころか子宮も内臓も冷えていたと確信できる様々な症状がありました。自分の身体がどうしてこんなことになったんだろうと、悩みました。きっかけは健康的になりたかっただけだったのが、いつの間にか軌道が変わり、修正不可能になっていたのです。その頃の心が健やかではなかったのも言わずもがなです。夢はあれど自信を持つ足掛かりもつかめず、ただ単に痩せた身体は醜く思え、月経を戻すためには体重を増やさなくてはいけないのにリバウンドを恐がる心は勇気を持てず、そんな自分を全く好きになれず、ただ『wannabe』な自分という存在が辛かったです。心の弱さや不安定さが、私の身体に現れていたんですね。
その後2年くらいを掛けて月経が正常に戻り、私の身体はまたふっくらとしましたが、今度は就職後の激務と人間関係のストレスで痩せました。いずれにせよ理想的ではありません。 その後イギリス留学をし、向こうで働きました。イギリスに住んでいた頃は日常的に自覚のない肩凝りや首のつまりがありました。不良姿勢に加えてこの頃はお肌も365日荒れていました。イギリスの大学を卒業し、フリーランスビザで仕事を継続していましたが、ビザ事情の大変革から帰国せざるを得ないことが決定してからは、不安な日々が続きました。その頃急に耳の奥が痛くなり、外耳に触れるだけで声も出せずにしばらくうずくまるほどの激痛が走りました。右の下瞼に何ヶ月も腫れが出て、帰国してから眼科へ行きました。腎臓のあたりもいつもいつも痛くて、不眠症のようになっていました。思い出すだけでとても悲壮な状態でした。
帰国してそれらの症状はとりあえず治ったのですが、瞼の腫れがひくには長くかかりました。衣装の仕事は東京で少しやらせていただいたのですが、ヨーロッパとは全く体制の違う日本の芸能界で散々な思いをし、すっかり落胆して、私のやりたいアートを日本では今すぐにはできないと悟った後、どうしようもなくボロボロだった心身をなんとかしようと、模索の日々の中でふとピラティスを思い出したのです。とにかくこんな心身の状態では誰かに感動を与えられるようなものは創れない。まずは自分の心身をきちんとコントロールしてデザインし直そう。そう思ったのです。 どうせ学ぶならとピラティスインストラクター養成コースに入ることにしました。その当時はピラティスを教えることを仕事にできるとは到底思えず、ただライフワークにはしたいと思っていました。アルバイトを2、3個掛け持ちしながら毎週ピラティスのレッスンと養成コースに通いましたが、とにかく一筋縄ではなかったです。そもそも先生の指示通りに身体が動かない。みんなが効いたと言っている部分に効かない…。始めた頃の約1年半〜2年くらいは代償動作だらけのピラティスをしていました。また人付き合いが苦手で、特に帰国したての頃の私は人の多い場に馴染めずにいました。
それでも身体は少しずつ変わり始め、周囲の応援もあって、諦めずにピラティスの学びを深めていくことができました。
私の身体と心がピラティスで少しづつニュートラルへ導かれていくのには時間が必要でしたが、確実に変わっていく心身の変化が嬉しい日々でした。ピラティスは、心と身体に同時に良い働きかけをしてくれていました。 ピラティスを仕事にしようと決めて、家族や地元の中高年の方々に集会所を借りて教え始めたのが2013年の6月でした。ピラティスも指導も超初心者が年配の超初心者に教えるのですから、それはもう大変でした。未熟な先生の学びに付き合って下さった当時のクライアント様たちには今でも感謝しています。その頃の私の仕事はほとんどがプライベートレッスンでした。たくさんの人の身体と深く関われたことは幸運なことでした。その後も様々な経験を通して先生の自覚を育てて行きました。レギュラーのグループレッスンを1本持たせていただけたことがきっかけで、少しずつスタジオ勤務のお仕事は増えて行きました。 指導を通して私の身体も心も変わり続けていますが、ピラティスと向き合う心の根元の部分はずっと同じです。
人それぞれ理由は違うと思いますが、自分の想いがぶれなければ、どのような学びも続けていくことができます。続けることでしか見えない世界を体験するには、とにかく始めることです。
健康とは身体と心の両輪で成すもの。自分でも今の仕事をさせていただいていることに驚きますが、すべてはご縁、役割。無知な時代も、必要な過程だったと今は思えます。
私が身体を整えようと決めて行動に移してからは、身体は無駄なものや執着を手放し始め、心が上向きになりました。あの時、私が学びたいことを教えてくれる人や場所に出会えたことをとても感謝しています。
イギリス時代の友達は今の私を見て『なんだか年々若返ってない?』と笑いますが、それはきっと身体がどうこうではなくて、心が変わったからなんでしょう。冒頭にも書きましたが、心の状態は身体に現れるのですから。
望みは高く、自分の力に限界を決めない。そしてその時に得られる結果を受け入れること。遅々とした成長でも、成長は成長です。肉体や心や感覚を自分のすべてだと思わないこと。あなたの魂は、かたちあるものにおさまるほど小さなものではないのです。このことについては、私のワークショップでアーユルヴェーダの医哲学としてお話ししています。
心次第で身体は何歳からでも変わる、と冒頭で書きました。
私の小さな物語が、何かのお役に立てれば幸いです。
私はピラティスやアーユルヴェーダに出会い、表現の媒体を『もの』から『肉体』に変えたわけですが、結局幼い頃からやりたいことは同じで、美しいものが好きです。
とは言え肉体も変わり行き、朽ち果てるもの。
永遠ではないし『もの』ですが、ただその存在もしくは現象の印象、『風姿』を美しくしていきたいと願います。
みなさんの晩夏が、健やかでありますように。
ではまた次回。
ワークショップ シリーズ
『たかめていく氣と血のめぐり ~ピラティスとアーユルヴェーダができること~』
全4回 + 特別講座
女性は毎月の月経を通じて自らの血と氣のめぐりの状態を知ることができます。
さらに妊娠、出産により血のコンディションは変わるため養生の方法も変わります。
貴女は今、自分のライフステージに合った心と身体の養生ができていると言えますか?
全四回のワークショップを通じて、ピラティスとアーユルヴェーダの智慧を生活に取り入れ、日々をより健やかに過ごせる術を学びましょう。
昨年秋に初開催となったこのワークショップシリーズは第2サイクル目となります。
テーマは同じですが今回はアーユルヴェーダの智慧、哲学によりフォーカスを絞った講義となります。
アーユルヴェーダ式四季の過ごし方とピラティスムーヴメントを1年間を通して学ぶことで、自らの血と氣のめぐりを良くすることや季節ごとに身体や心の調和を取る方法を、自らの生活への意識を変えることで継続してきましょう。
また、Ayami先生とのコラボレーションによる特別講座では実際に食養生を学びます。アーユルヴェーダ式のお料理方法を日本の食卓に上手に取り入れて、日々美味しく楽しく心身を整えましょう。
シリーズでお届け致しますので連続受講をお勧めいたします。ただし、単発受講ではついていけない部分があることはご理解いただいた上、お好きな受講スタイルでご参加下さいね。
もちろんこのようなワークショップに参加することが恥ずかしいと感じる方や、「もう関係ない」と思い込んでおられる女性にも多くおられると思いますが、是非多くの女性、また男性に知っていただきたい内容をお届けいたします。そのため娘さんをお持ちのシングルファザーや、ご家族のために知識として学びたい男性も受講を歓迎しております。母娘、父娘、ご夫婦での受講、再受講も大歓迎です。
第一回 秋編 | 日 程2018年9月9日(日) 時 間14:30〜17:30 本町スタジオ | テーマ:血 血のめぐりと質を高めるアーユルヴェーダとピラティス →詳しくはこちら |
特別講座 冬編 | 日 程2018年11月4日(日) 時 間10:30〜13:30 / 15:30〜18:30 大阪 刻屋 | 特別講座 冬編 テーマ:生命力 女性力を高めるアーユルヴェーダ式食養生とピラティス AyamiとGinger →詳しくはこちら |
第二回 春編 | 日 程2018年12月23日(日) 時 間14:30〜17:30 本町スタジオ | テーマ:膣粘膜 粘膜を強化して女性力を高めていくアーユルヴェーダとピラティス →詳しくはこちら |
特別講座 春分編 | 日 程2019年2月17日(日) 時 間14:30〜17:30 大阪スタジオ | 特別講座 春分編 テーマ:睡眠 睡眠の力を知る アーユルヴェーダとピラティス →詳しくはこちら |
特別講座 梅雨編 | 日 程2019年4月29日(月・祝) 時 間10:30〜13:30 / 15:30〜18:30 大阪 刻屋 | 特別講座 梅雨編 テーマ:冷え 女性力を高めるアーユルヴェーダ式食養生とピラティス AyamiとGinger →詳しくはこちら |
第三回 梅雨編 | 日 程2019年5月12日(日) 時 間14:30〜17:30 本町スタジオ | テーマ:女性ホルモン ホルモンを安定させる冷え取りアーユルヴェーダとピラティス →詳しくはこちら |
第四回 夏編 | 日 程2018年6月9日(日) 時 間14:30〜17:30 本町スタジオ | テーマ:膣ケア 女性器のケアと向き合う アーユルヴェーダとピラティス →詳しくはこちら |
PROFILE : Ginger(じんじゃ~)
帰国後、ピラティスに出会い指導者としてのトレーニングを受ける。
アーユルヴェーダや東洋医学、薬膳の考え方を取り入れ、グループ・個人レッスン共に男女問わず幅広い年齢層を指導。
個々人自らが『感じる力』を磨くことを何よりも重要視している。
英語でのレッスンや海外講師の通訳、人体経絡図の挿絵など、ピラティスと英語・アートをリンクさせた活動も積極的に展開している。
近年はピラティスという分野を超えて、自然の中で呼吸や五感のワークを行うことも始めている。
Instagram: @ginger_jinjya
HP: http://junkoginger.blogspot.jp