第16回「休息」
みなさまごきげんいかがですか?
ピラティス指導者のGingerです。
私がこの原稿を書いている今はまだ梅雨は明けていませんが、こうしてみなさんがお読みになっておられる頃にはすっかり夏空が眩しく輝いていることと思います。
日々太陽の熱が増すばかりのように思われますが、夏至に最高潮を迎えた陽氣の高まりは、秋分に向かってゆるやかな下降を始めています。その減少を補うように、陰氣が増して行きます。四季のある日本は万物の大きな流れを肌で感じられて愛おしいですね。
今回の新月、旧暦水無月の朔は今年最も地球から遠い新月であり、部分日蝕の日でもあります(日本では観測できないのですが)。新月は植物のサイクルでは種蒔きの時にあたります。また蝕は特別なはじまりを意味するとも言われていますから、これまでの自分を俯瞰し、新たな目標を立て再スタートを切りましょう。直観力を磨き、創造力をもって決断をしてみて下さい。
上弦の頃には夏土用が始まります。土用は季節の変わり目の期間を指しますが、特に夏土用の期間は蒸し暑さで消化力を乱さないように、普段に増して穏やかな環境や気持ちで食事を摂るようにしてみて下さい。既に消化力の落ちている人は生の生姜のスライスに岩塩と檸檬果汁をかけたものを食事の30分前に摂ったり、お白湯を習慣にしてみましょう。冷房や薄着、汗のかき過ぎ、また夏野菜や果物の摂り過ぎ、急激なダイエットや睡眠不足などで冷えやすくなってしまった身体を労わります。
土用の丑の日は、もちろん鰻!という方も多いとは思いますが、消化に重くならないようにスパイスの力を借りましょう。山椒は胃を温めて消化促進をしてくれます。また、口の中で食べ物の形がなくなるまでしっかりと噛んでから頂くようにしてみましょう。
また消化力は仕事や人間関係、執着心など激性の感情の過多によっても乱れます。毎回の食事を控えめに摂っているのに消化機能の調子が良くない方は、日常生活そのものや他者との関わり方を見直してみて下さい。マインドマッピングを行うのもいいですね。マインドマップは直感で浮かんだ単語を一定のスピードで滞りなく書き出していくものですから、自分でも気付かなかった感情を「掘り当て」「吐き出す」ことができますし、溜め込んだ未消化の感情を出すことで本当に自分のすべき課題が明確になります。人に任せられる仕事は素直に甘え、予定も腹八分目を心掛けてリラックスすることを優先事項に取り入れます。このリラックスが分かってはいても難しいことの一つなのですが、リラックスができて睡眠の質が上がり消化力も高まれば、知識の吸収率や理解力も高まり、直感が冴えてきます。勉強中の人や試験を控えた人は消化力を良好に保つことを心掛けてみて下さいね。何事も、腹八分が消化不良と不眠を防ぐコツかと思います。
さて、リラックスすることは今や全世界の人々が意図的に取り組んでいることのように思います。その現れの一つが「睡眠」に関する書籍への注目や需要、また「マインドフルネス」という言葉の浸透、「瞑想」への注目です。
アーユルヴェーダでは早寝早起きが消化力を安定させ、瞑想は不安定な風の要素であるヴァータを整え、心を安定させるとしています。睡眠と瞑想、どちらも神経系に深い休息を与え、リラックスを促し、オージャス(いのちの輝き)を増やすのです。リラックスしている心は常に穏やかです。心の鎮まりは直観力を支えます。
コラム第7回「自由」で詳しく書きましたが、ピラティス氏はマインドフルネスを提唱してきました。マインドフルネスは、「今ここ」に意識を向けることです。呼吸と共に身体のすみずみにめぐる感覚を研ぎ澄ませ、動き(ピラティスムーヴメント)の中に心の静を保つことはまさにマインドフルネスだと私は思います。
アーユルヴェーダの経典は、身体と心と感覚を自分の意のままに扱える人は何があっても心の静寂を乱さないと教えます。動き続ける性質を持つ心は、常に移り変わり安定しませんが、瞑想の修行を実践し、肉体や感覚を制御し「今ここ」を生き、外の状況に揺れ乱されないでいることは、人を自由にします。自由とは、自分自身の存在そのものが世界と一体なのだと知ること。アーユルヴェーダの考えでは私たちは大宇宙と同じ空風火水地の五元素で構成されています。私たちは大宇宙と生命の根源を分かち合う存在なのです。
例えば日本の古神道では私たちはみんな分け御霊、つまり神様そのものである、万物同根であると伝えていたのですが、神様と一般民衆が繋がっているなんて畏れ多いとして神様を自分とは違う崇高な存在として見るようになりました。しかしながら、分け御霊の考えは六根清浄大祓という祝詞に読み取ることができます。祝詞によれば、私たちの心はその源の神様なのだから、あらゆる不浄のものに五感や潜在意識を汚されたりしない、そして自分自身を傷つけることは神様(天照大御神)を傷つけることなのだと説きます。古神道では陰陽のエネルギーを、陽の魂(魂のエネルギー)と陰の魄(肉体意識のエネルギー)と考えます。大宇宙の始まりも終わりもないエネルギーはつまり天之御中主神で、そのエネルギーが、魂魄という陰陽エネルギーに分かれたものが森羅万象、私たちをつくりました。八百万の神の概念の元はここにあり、古神道の説く「神ながらの道を生きる」とは、森羅万象のあるがままに生きるということです。しかし時としてこの魂魄のエネルギーがばらばらになってしまいます。その原因は承認要求や愛されたいという感情の暴走です。分離した魂魄は呼吸法などで臍下丹田に呼び戻して鎮め、本来の自分自身に戻ります。それは「今ここ」にあるということです。禊は常に魂魄合一の状態を保つための修行の一つです。
アーユルヴェーダでは、終わりもなく始まりもない存在はアートマン、ブランマンと呼ばれ、火に焼かれたり破壊されたり滅びることがない、純粋な「存在」そのものだとしてます。私とは個人ではなく世界全体であり純粋な存在なのです。すでに満たされた存在であるならば、目に見えることだけでものごとを判断したり心を乱されたりしません。森羅万象、大宇宙の壮大なリズムに心身を任せていれば、時が来れば実り熟す果実のように、必要な課題は必要な時に与えられます。貴方は孤独の存在ではなく、貴方は貴方のままで完璧な存在なのです。
アーユルヴェーダと古神道、根源を分かち合っていることが私はとても興味深く、また当然とも思います。みなさんはどう思われたでしょうか? リラックスは難しい、と前述しました。
例えばヨーガの有名なシャバ・アーサナ(屍の体位)、仰向けになって全身の力を完全に抜く、抜き切る体位。ヨーガの様々なアーサナはこのアーサナを行うための準備にあたるとさえ言われるほど、全身の筋肉をすみずみまで屍のごとくゆるめることは難しいのです。アーユルヴェーダではマルマと呼ばれる外科手術では避け、武術では急所(逆にやさしく刺激すれば武医術や精神疾患に効果を発揮する)が身体に107つあり(108とも)、シャバ・アーサナは眉間にある脳下垂体と松果体につながる脈管のマルマを刺激し、頭の中の雑念を消し心身の完全なリラックス、至福の状態になることを理想としています。10分間のシャバ・アーサナは一晩の睡眠に勝るほどの癒しの効果があり、自律神経を整えて不眠を解消し心を穏やかにするとも言われています。
余談ですがヴィヴェーカーナンダがラーマクリシュナに弟子入りしたのはこのサードアイ(第三の目)にあるマルマがきっかけだったそうです。
快適な状態を「スカ」と言います。自然な胡座で独り静かに座り(スカーサナ)、少しの時間でも呼吸法や瞑想をしてみましょう。ピラティス式ならば、左右の坐骨を均等に床につけて脚の力は抜き、背骨は尾骨から首の骨の一番上まで美しいS字カーヴで高く積み上げ、頭頂から吊られているように骨の隙間一つ一つに伸び感を感じ、両肩は丸まらず、鎖骨を左右に伸びやかに広げ、深い呼吸を穏やかに続けながら全身の力みを抜きます。このようにして座ることが難しいと感じ方もおられることでしょうが、根気よく継続することで身体と心と意識をつなぐマインドフルネスは少しずつ実践できることでしょう。
人は知性があるからこそ欲望を持つことができます。欲望は悪いものではありません。欲望に支配されて自分を見失うことを避けることが大切です。まずは自分の心と身体、感情をコントロールできるように精神や身体の修行を日々心掛けます。瞑想や適度な運動はその役に立つことでしょう。心身の健康は人生の目的ではありません。自分の使命を果たすために健康がその手段となるのです。心身の健康を支えるものの一つは消化力です。アーユルヴェーダでは、人の老いは消化力によるとしています。消化力の乱れやすい夏土用、どうぞ無理の無い範囲でマインドフルネスを実践してみて下さいね。
ワークショップ シリーズ
『たかめていく氣と血のめぐり ~ピラティスとアーユルヴェーダができること~』
全4回 + 特別講座
女性は毎月の月経を通じて自らの血と氣のめぐりの状態を知ることができます。
さらに妊娠、出産により血のコンディションは変わるため養生の方法も変わります。
貴女は今、自分のライフステージに合った心と身体の養生ができていると言えますか?
全四回のワークショップを通じて、ピラティスとアーユルヴェーダの智慧を生活に取り入れ、日々をより健やかに過ごせる術を学びましょう。
昨年秋に初開催となったこのワークショップシリーズは第2サイクル目となります。
テーマは同じですが今回はアーユルヴェーダの智慧、哲学によりフォーカスを絞った講義となります。
アーユルヴェーダ式四季の過ごし方とピラティスムーヴメントを1年間を通して学ぶことで、自らの血と氣のめぐりを良くすることや季節ごとに身体や心の調和を取る方法を、自らの生活への意識を変えることで継続してきましょう。
また、Ayami先生とのコラボレーションによる特別講座では実際に食養生を学びます。アーユルヴェーダ式のお料理方法を日本の食卓に上手に取り入れて、日々美味しく楽しく心身を整えましょう。
シリーズでお届け致しますので連続受講をお勧めいたします。ただし、単発受講ではついていけない部分があることはご理解いただいた上、お好きな受講スタイルでご参加下さいね。
もちろんこのようなワークショップに参加することが恥ずかしいと感じる方や、「もう関係ない」と思い込んでおられる女性にも多くおられると思いますが、是非多くの女性、また男性に知っていただきたい内容をお届けいたします。そのため娘さんをお持ちのシングルファザーや、ご家族のために知識として学びたい男性も受講を歓迎しております。母娘、父娘、ご夫婦での受講、再受講も大歓迎です。
PROFILE : Ginger(じんじゃ~)フリーランス アーティスト
FTPマットピラティス 指導者
からだスキャン セルフマッサージ 指導者
Physical Mind Institute 認定 Tye4® Mat/Standing 指導者
Body Code System認定 Master Stretch® 指導者
アーユルヴェーダ セルフケアアドヴァイザー
漢方・薬膳検定 保有
英国にて衣装デザインと制作を学び、デザイナーとして様々な身体表現者たちと関わる。また6年近くに及ぶ異国生活で心身の不一致を感じ、そのコントロールへの興味を深める。
帰国後、ピラティスに出会い指導者としてのトレーニングを受ける。
アーユルヴェーダや東洋医学、薬膳の考え方を取り入れ、グループ・個人レッスン共に男女問わず幅広い年齢層を指導。
個々人自らが『感じる力』を磨くことを何よりも重要視している。
英語でのレッスンや海外講師の通訳、人体経絡図の挿絵など、ピラティスと英語・アートをリンクさせた活動も積極的に展開している。
近年はピラティスという分野を超えて、自然の中で呼吸や五感のワークを行うことも始めている。
Instagram: @ginger_jinjya
HP: http://junkoginger.blogspot.jp
ピラティス指導者のGingerです。
私がこの原稿を書いている今はまだ梅雨は明けていませんが、こうしてみなさんがお読みになっておられる頃にはすっかり夏空が眩しく輝いていることと思います。
日々太陽の熱が増すばかりのように思われますが、夏至に最高潮を迎えた陽氣の高まりは、秋分に向かってゆるやかな下降を始めています。その減少を補うように、陰氣が増して行きます。四季のある日本は万物の大きな流れを肌で感じられて愛おしいですね。
今回の新月、旧暦水無月の朔は今年最も地球から遠い新月であり、部分日蝕の日でもあります(日本では観測できないのですが)。新月は植物のサイクルでは種蒔きの時にあたります。また蝕は特別なはじまりを意味するとも言われていますから、これまでの自分を俯瞰し、新たな目標を立て再スタートを切りましょう。直観力を磨き、創造力をもって決断をしてみて下さい。
上弦の頃には夏土用が始まります。土用は季節の変わり目の期間を指しますが、特に夏土用の期間は蒸し暑さで消化力を乱さないように、普段に増して穏やかな環境や気持ちで食事を摂るようにしてみて下さい。既に消化力の落ちている人は生の生姜のスライスに岩塩と檸檬果汁をかけたものを食事の30分前に摂ったり、お白湯を習慣にしてみましょう。冷房や薄着、汗のかき過ぎ、また夏野菜や果物の摂り過ぎ、急激なダイエットや睡眠不足などで冷えやすくなってしまった身体を労わります。
土用の丑の日は、もちろん鰻!という方も多いとは思いますが、消化に重くならないようにスパイスの力を借りましょう。山椒は胃を温めて消化促進をしてくれます。また、口の中で食べ物の形がなくなるまでしっかりと噛んでから頂くようにしてみましょう。
また消化力は仕事や人間関係、執着心など激性の感情の過多によっても乱れます。毎回の食事を控えめに摂っているのに消化機能の調子が良くない方は、日常生活そのものや他者との関わり方を見直してみて下さい。マインドマッピングを行うのもいいですね。マインドマップは直感で浮かんだ単語を一定のスピードで滞りなく書き出していくものですから、自分でも気付かなかった感情を「掘り当て」「吐き出す」ことができますし、溜め込んだ未消化の感情を出すことで本当に自分のすべき課題が明確になります。人に任せられる仕事は素直に甘え、予定も腹八分目を心掛けてリラックスすることを優先事項に取り入れます。このリラックスが分かってはいても難しいことの一つなのですが、リラックスができて睡眠の質が上がり消化力も高まれば、知識の吸収率や理解力も高まり、直感が冴えてきます。勉強中の人や試験を控えた人は消化力を良好に保つことを心掛けてみて下さいね。何事も、腹八分が消化不良と不眠を防ぐコツかと思います。
さて、リラックスすることは今や全世界の人々が意図的に取り組んでいることのように思います。その現れの一つが「睡眠」に関する書籍への注目や需要、また「マインドフルネス」という言葉の浸透、「瞑想」への注目です。
アーユルヴェーダでは早寝早起きが消化力を安定させ、瞑想は不安定な風の要素であるヴァータを整え、心を安定させるとしています。睡眠と瞑想、どちらも神経系に深い休息を与え、リラックスを促し、オージャス(いのちの輝き)を増やすのです。リラックスしている心は常に穏やかです。心の鎮まりは直観力を支えます。
コラム第7回「自由」で詳しく書きましたが、ピラティス氏はマインドフルネスを提唱してきました。マインドフルネスは、「今ここ」に意識を向けることです。呼吸と共に身体のすみずみにめぐる感覚を研ぎ澄ませ、動き(ピラティスムーヴメント)の中に心の静を保つことはまさにマインドフルネスだと私は思います。
アーユルヴェーダの経典は、身体と心と感覚を自分の意のままに扱える人は何があっても心の静寂を乱さないと教えます。動き続ける性質を持つ心は、常に移り変わり安定しませんが、瞑想の修行を実践し、肉体や感覚を制御し「今ここ」を生き、外の状況に揺れ乱されないでいることは、人を自由にします。自由とは、自分自身の存在そのものが世界と一体なのだと知ること。アーユルヴェーダの考えでは私たちは大宇宙と同じ空風火水地の五元素で構成されています。私たちは大宇宙と生命の根源を分かち合う存在なのです。
例えば日本の古神道では私たちはみんな分け御霊、つまり神様そのものである、万物同根であると伝えていたのですが、神様と一般民衆が繋がっているなんて畏れ多いとして神様を自分とは違う崇高な存在として見るようになりました。しかしながら、分け御霊の考えは六根清浄大祓という祝詞に読み取ることができます。祝詞によれば、私たちの心はその源の神様なのだから、あらゆる不浄のものに五感や潜在意識を汚されたりしない、そして自分自身を傷つけることは神様(天照大御神)を傷つけることなのだと説きます。古神道では陰陽のエネルギーを、陽の魂(魂のエネルギー)と陰の魄(肉体意識のエネルギー)と考えます。大宇宙の始まりも終わりもないエネルギーはつまり天之御中主神で、そのエネルギーが、魂魄という陰陽エネルギーに分かれたものが森羅万象、私たちをつくりました。八百万の神の概念の元はここにあり、古神道の説く「神ながらの道を生きる」とは、森羅万象のあるがままに生きるということです。しかし時としてこの魂魄のエネルギーがばらばらになってしまいます。その原因は承認要求や愛されたいという感情の暴走です。分離した魂魄は呼吸法などで臍下丹田に呼び戻して鎮め、本来の自分自身に戻ります。それは「今ここ」にあるということです。禊は常に魂魄合一の状態を保つための修行の一つです。
アーユルヴェーダでは、終わりもなく始まりもない存在はアートマン、ブランマンと呼ばれ、火に焼かれたり破壊されたり滅びることがない、純粋な「存在」そのものだとしてます。私とは個人ではなく世界全体であり純粋な存在なのです。すでに満たされた存在であるならば、目に見えることだけでものごとを判断したり心を乱されたりしません。森羅万象、大宇宙の壮大なリズムに心身を任せていれば、時が来れば実り熟す果実のように、必要な課題は必要な時に与えられます。貴方は孤独の存在ではなく、貴方は貴方のままで完璧な存在なのです。
アーユルヴェーダと古神道、根源を分かち合っていることが私はとても興味深く、また当然とも思います。みなさんはどう思われたでしょうか? リラックスは難しい、と前述しました。
例えばヨーガの有名なシャバ・アーサナ(屍の体位)、仰向けになって全身の力を完全に抜く、抜き切る体位。ヨーガの様々なアーサナはこのアーサナを行うための準備にあたるとさえ言われるほど、全身の筋肉をすみずみまで屍のごとくゆるめることは難しいのです。アーユルヴェーダではマルマと呼ばれる外科手術では避け、武術では急所(逆にやさしく刺激すれば武医術や精神疾患に効果を発揮する)が身体に107つあり(108とも)、シャバ・アーサナは眉間にある脳下垂体と松果体につながる脈管のマルマを刺激し、頭の中の雑念を消し心身の完全なリラックス、至福の状態になることを理想としています。10分間のシャバ・アーサナは一晩の睡眠に勝るほどの癒しの効果があり、自律神経を整えて不眠を解消し心を穏やかにするとも言われています。
余談ですがヴィヴェーカーナンダがラーマクリシュナに弟子入りしたのはこのサードアイ(第三の目)にあるマルマがきっかけだったそうです。
快適な状態を「スカ」と言います。自然な胡座で独り静かに座り(スカーサナ)、少しの時間でも呼吸法や瞑想をしてみましょう。ピラティス式ならば、左右の坐骨を均等に床につけて脚の力は抜き、背骨は尾骨から首の骨の一番上まで美しいS字カーヴで高く積み上げ、頭頂から吊られているように骨の隙間一つ一つに伸び感を感じ、両肩は丸まらず、鎖骨を左右に伸びやかに広げ、深い呼吸を穏やかに続けながら全身の力みを抜きます。このようにして座ることが難しいと感じ方もおられることでしょうが、根気よく継続することで身体と心と意識をつなぐマインドフルネスは少しずつ実践できることでしょう。
人は知性があるからこそ欲望を持つことができます。欲望は悪いものではありません。欲望に支配されて自分を見失うことを避けることが大切です。まずは自分の心と身体、感情をコントロールできるように精神や身体の修行を日々心掛けます。瞑想や適度な運動はその役に立つことでしょう。心身の健康は人生の目的ではありません。自分の使命を果たすために健康がその手段となるのです。心身の健康を支えるものの一つは消化力です。アーユルヴェーダでは、人の老いは消化力によるとしています。消化力の乱れやすい夏土用、どうぞ無理の無い範囲でマインドフルネスを実践してみて下さいね。
ワークショップ シリーズ
『たかめていく氣と血のめぐり ~ピラティスとアーユルヴェーダができること~』
全4回 + 特別講座
女性は毎月の月経を通じて自らの血と氣のめぐりの状態を知ることができます。
さらに妊娠、出産により血のコンディションは変わるため養生の方法も変わります。
貴女は今、自分のライフステージに合った心と身体の養生ができていると言えますか?
全四回のワークショップを通じて、ピラティスとアーユルヴェーダの智慧を生活に取り入れ、日々をより健やかに過ごせる術を学びましょう。
昨年秋に初開催となったこのワークショップシリーズは第2サイクル目となります。
テーマは同じですが今回はアーユルヴェーダの智慧、哲学によりフォーカスを絞った講義となります。
アーユルヴェーダ式四季の過ごし方とピラティスムーヴメントを1年間を通して学ぶことで、自らの血と氣のめぐりを良くすることや季節ごとに身体や心の調和を取る方法を、自らの生活への意識を変えることで継続してきましょう。
また、Ayami先生とのコラボレーションによる特別講座では実際に食養生を学びます。アーユルヴェーダ式のお料理方法を日本の食卓に上手に取り入れて、日々美味しく楽しく心身を整えましょう。
シリーズでお届け致しますので連続受講をお勧めいたします。ただし、単発受講ではついていけない部分があることはご理解いただいた上、お好きな受講スタイルでご参加下さいね。
もちろんこのようなワークショップに参加することが恥ずかしいと感じる方や、「もう関係ない」と思い込んでおられる女性にも多くおられると思いますが、是非多くの女性、また男性に知っていただきたい内容をお届けいたします。そのため娘さんをお持ちのシングルファザーや、ご家族のために知識として学びたい男性も受講を歓迎しております。母娘、父娘、ご夫婦での受講、再受講も大歓迎です。
第一回 秋編 | 日 程2018年9月9日(日) 時 間14:30〜17:30 本町スタジオ | テーマ:血 血のめぐりと質を高めるアーユルヴェーダとピラティス |
特別講座 冬編 | 日 程2018年11月4日(日) 時 間10:30〜13:30 / 15:30〜18:30 大阪 刻屋 | 特別講座 冬編 テーマ:生命力 女性力を高めるアーユルヴェーダ式食養生とピラティス AyamiとGinger |
第二回 春編 | 日 程2018年12月23日(日) 時 間14:30〜17:30 本町スタジオ | テーマ:膣粘膜 粘膜を強化して女性力を高めていくアーユルヴェーダとピラティス |
特別講座 春分編 | 日 程2019年2月17日(日) 時 間14:30〜17:30 大阪スタジオ | 特別講座 春分編 テーマ:睡眠 睡眠の力を知る アーユルヴェーダとピラティス |
特別講座 梅雨編 | 日 程2019年4月29日(月・祝) 時 間10:30〜13:30 / 15:30〜18:30 大阪 刻屋 | 特別講座 梅雨編 テーマ:冷え 女性力を高めるアーユルヴェーダ式食養生とピラティス AyamiとGinger |
第三回 梅雨編 | 日 程2019年5月12日(日) 時 間14:30〜17:30 本町スタジオ | テーマ:女性ホルモン ホルモンを安定させる冷え取りアーユルヴェーダとピラティス |
第四回 夏編 | 日 程2018年6月9日(日) 時 間14:30〜17:30 本町スタジオ | テーマ:膣ケア 女性器のケアと向き合う アーユルヴェーダとピラティス |
PROFILE : Ginger(じんじゃ~)
帰国後、ピラティスに出会い指導者としてのトレーニングを受ける。
アーユルヴェーダや東洋医学、薬膳の考え方を取り入れ、グループ・個人レッスン共に男女問わず幅広い年齢層を指導。
個々人自らが『感じる力』を磨くことを何よりも重要視している。
英語でのレッスンや海外講師の通訳、人体経絡図の挿絵など、ピラティスと英語・アートをリンクさせた活動も積極的に展開している。
近年はピラティスという分野を超えて、自然の中で呼吸や五感のワークを行うことも始めている。
Instagram: @ginger_jinjya
HP: http://junkoginger.blogspot.jp